昨年11月から全国各地で展開されていた農水省主催の農産物輸出支援事業である「輸出オリエンテーションの会」もいよいよ最後のブロックである九州地区でも熊本市で開催された。
会場となったホテル
九州地区だけが唯一、越年開催となり、
特に中華圏での旧正月商戦後のタイミングであったにもかかわらず、九州全県から180名を越える多数の参加者を集め、商品の出展者もおそらく全国で一番多かったのではないかと思われる。
海外からの招待バイヤーも、中国、香港、台湾、シンガポール、中東、ロシア、欧州と多彩を極め、日本側の輸出者にとっては相当の情報収集、人脈構築に貢献したのではないだろうか。
事前準備の周到さや時期タイミング、企画進行など関係者の尽力大であることに加え、アジアに近いという環境が、日本側輸出チャレンジャー、海外側バイヤーともに積極的な意識醸成も背景に、この数年は非常に活発な動きが展開されているように思う。
午前のセミナーでは、中国、台湾、シンガポールからの招待者が「消費者思考と定番化」というテーマで最新の消費動向や継続的な輸出のための的確な提言を行なった。
コーディネーターの櫻井研先生による専門的でも平易で、歯切れの良い進行で、充実したパネルディスカッションとなった。
午後は、まず「発掘会」と銘打った試食会を兼ねた出展者によるプレゼンテーションが行なわれる。
とにかく参加者が多く、会場中で自己紹介やアピールを行なうから、もう「積極的」を通り越し、「熱気」に近い雰囲気だった。
会場内は所狭しと熱気に覆われた
九州7県はすべて、官民挙げて海外との経済交流に熱心で、裾野も広く各JAや中小企業も海外販路開拓の可能性について関心は強い。それだけに各県がしのぎを削っているから結構シビアな競合状態でもある。
九州で一元化して取り組む考え方もあるが、農産物輸出もまだまだ滑走段階であるだけに、むしろスピード感をもって活発に動くもの一法かとも思う。
独自の工夫を凝らして懸命にアピールする
県民益、地域益のために支援する組織の牽引から、ビジネスベースに移行するプロセスで自ずと次のフェーズが見えてくるはずだ。
地域連携はまもなく個別に現実化してくることだろう。
続いてメインイベントの商談会である。
ここ九州でも15分刻みの限られた時間での個別商談だが、スケジュールはビッシリ。
事務方に聞けば、それでも枠が足りないくらいの応募があったそうだ。
私も相談コーナーを設けて頂いたが、結局、昼から夕方の閉幕まで次々と面談をこなし、トイレに行けなかった。もう膀胱炎寸前だった。
他のブロックでも商談時間が短い、すべてのバイヤーと接触できなかったという意見があったからだろうか、商談終了後に、フリーの名刺交換会が設けられた。
意見あれば、すぐに改善する。とても重要な事だ。
最後まで残っている人たちがとても多いことにもビックリした。
参加者が多いだけでなく、終日のプログラムを十分に活用する人たちが多いということは企画が有効だったという証しだろう。
現に、解散直後に海外、日本側参加者にコメントを求めたところ、すべての方が参加して良かったと評価していた。
イベントの内容もさることながら、輸出を自分の問題として主体的に情報収集し、人脈開拓し、プレゼンするという九州の事業者のマインドに触れ、心強く感じた。
輸出実現の可否はともかくとして、九州はアジアの元気を取り込みながら、自らも元気になりつつあるようだ。
田中 豊
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先日は、東京&熊本で・・お疲れ様でした[E:paper]
今回熊本では、大変勉強になり刺激を受けました[E:sign03]
身体中が『メラメラ[E:shine]』っと熱く
感じて[E:coldsweats01]
今回の商談会で、一ヶ国でも決まるように
努力したいです[E:good]
今後とも、ご支援・ご指導を宜しくお願い
致します。
ベジタリーさん コメントありがとうございます。当日、これだけの組織や行政、企業が熱心に輸出に取り組んでいるとは思いませんでしたね。現実にはもっと多くですし、全国にはもっと多く、レベルの高い人たちがいます。皆、常に挑戦し続けることを目標に頑張っています。これからはベジタリーさんのような若い世代が日本を引っ張る時代です。