博多湾のアイランドシティ地区で9日、国際コンテナターミナル整備事業の着工式が行なわれた。
国交省、福岡市など行政をはじめ、工事関係者、各界来賓や福岡地区選出の国会議員、多くの報道陣が式典に参加した。
神官による安全祈願祭礼の後、式典が行なわれ、国土交通省九州地方整備局長および福岡市長が挨拶に立った。
国交省九州地方整備局 小原局長
最後に来賓によるスイッチ起動が行なわれ、海上のポッパーが作動して工事が始まった。
最近、北部九州への自動車関連産業の集積や躍進する東アジア各国との活発な輸出入を背景に、博多港で取り扱われるコンテナ貨物は急増している。
この10年間で全国平均で約1.5倍の伸びに対して、博多港は2.4倍の勢いである。
コンテナ船も大型化しており、その対応として岸壁水深15mのコンテナターミナルが計画されている。
また昨年、予想外の地震を体験した博多港は、今回耐震仕様となっている。
平成20年初めの供用を目指してこの日工事が始まったが、高規格のコンテナターミナルが整備されることによって、国際中枢港湾としての更なる貢献が期待されている。
博多港は、主に工業製品や素材などを輸出し、肥飼料、食品、民生品などを輸入しており、産業の動脈として重要な役割を担っている。
物流の利便性が向上することにより、新たなビジネスが発生する。
アジアとの近接性を生かすためにも、今後も地域の物流機能が高まることは、自動車・IT半導体関連から農産物・食品に至るまで幅広い産業振興の可能性を押し広げるもっとも有効な「架け橋」のひとつであると実感している。
さらに一歩動き出したアイランドシティー事業だが、真に地域社会に貢献し、少しでも効率的で将来ビジョンに即した現実プロジェクトとなるよう、今後も多くの人たちの知恵と努力を結集していかなければならない。
私は仕事を通じて様々な産業の国際化支援に携わっているが、ビジネスマンは海運および港湾の機能や利便性について、もっともっと認識を深めておくと大きな武器になると考えている。
田中 豊
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