維新の地“下関”で

下関にある国土交通省九州地方整備局で講演させていただいた。
山口県の下関市に、“九州”地方整備局があるなんて、とても面白い。
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(コンテナを積載した外航船も行きかう関門海峡)
2時間にわたり、最近の日本とアジアの経済交流について、私の活動の一端をご紹介した。
特に九州の地場産品のアジアマーケットへの輸出動向やアジアからの観光誘致、中国企業誘致などの現場報告をさせていただいた。
いずれも、港湾・空港をはじめ、物流・人流インフラの整備が、九州とアジアの経済交流を進める上で、大きな鍵になっていること。
また、物流と共に、商流(経済活動)が車の両輪のようにバランスよく機能しないと、真の地域活性化は図れないことなどを実践活動の立場から話題を提供した。
  
下関といえば、言わずと知れた「維新回天の地」。
地方整備局の幹部職員の方々が、あまりに熱心な姿勢で聞いてくださるので、つい調子に乗ってしまった。

「私達日本人は、今、自由に外国に行け、また自由な海外ビジネスが出来ることも保障されていますよね。
でも、FTAやEPAなどと、これから一層の自由貿易・経済連携の時代と言われてますが、実際は、海外の食品は汚染されているとか、海外からの人材や観光客を入れれば犯罪は増える、外資が入れば支配される、などど、ヒト、モノ、カネ、どれをとっても、日本を“外国の邪悪”から守れと言わんばかりの論調が増えているように思えるんですが如何でしょうか?
攘夷か?開国か?
共に日本の国益のためにと議論してはいるものの、今の多くの日本の常識人のアタマの構造は、かつての維新前と同じではないかとさえ感じてしまいます。 
 
いずれにしても、後世の人たちが、明治と同じく平成の日本人は素晴らしかった、と言える決断をすべき時が来たのだと思うのです。」

と口走ってしまった。
何を隠そう、学生時代、私は、下関を舞台に活躍した幕末維新の英傑の一人、高杉晋作のファンだったのである。
はじめは熱狂的な攘夷論者だったが、その後の冷静な情勢判断と果敢な行動で新しい時代を拓いた。
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(下関・日和山公園に建つ高杉の像)
思想の中身もさることながら、その柔軟さ、しなやかさにあこがれていたことを思い出して、心の中でひとり苦笑いしてしまった。
これからの日本は面白い!

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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。

“維新の地“下関”で” への1件の返信

  1. 確かに外資が悪いとか海外からの人の流入が怖いなどといってる場合じゃないと思います。
    ここ数週間のニッポン放送買収劇での森元首相をはじめとするホリエモンけしからん発言は大方の旧世代の日本人の気持ちを代弁しているのかもしれません。しかし、時代は大きく、大きく変わりつつあるということを20代、30代の知恵モノが警鐘を鳴らしていると早く気づかなければ、日本の未来は、いや五年先はないと考えるべきだと思います。

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