僕は、NHKの「世界ふれあい街歩き」という番組がとても気に入っている。
歩きながら流し撮りをしてもほとんどブレない特殊なカメラを使用して、世界の街角を、見た目に近い視野と動きで散策するという趣向だ。
偶然京都でそれらしいカメラで撮影している現場に遭遇。
同じカメラではないと思うが、こんな感じ。
この番組の魅力は、なんといっても
行ったことのある通りを追体験する楽しみはもちろんのこと
未だ行ったことのない街に思いを馳せながら楽しむのも一興だ。
よくある穴場スポット紹介番組ではなく、
通りや露地での日常の何気ない中から、
庶民生活や習慣風俗、行き交う人の様子にじかに触れ、
もしかしたらビジネスのヒントだって発見できるかもしれない。
僕は、常々提案しているのだが、
日本産品の海外販路開拓、すなわち
「ニッポンを売る!」活動で海外に行った時も、
時間を捻出して、少しでも街歩きをしてもらうことを勧めている。
観察、 発見、 応用、 アクション…。
路地裏ほどこんなに情報が転がっているところは無い。
これからの時代、「気づき」が一番必要だと思っている。
だって、
ワクワクするくらい日本も世界も変化しているんだもの。
そんな楽しみを動画ではないが、僕がアジアの路地裏を歩いた時の様子を素人スナップ写真で再現してみたいと思う。
今週一週間、毎日午前0時にアップしますね。
* *
第1回は、台湾・台北市の萬華地区をご案内しましょう。
萬華地区は、タイペイ市の西南部にあり、
観光名所としても有名な龍山寺周辺から、
渋谷のような若者スポット西門町に連なる一帯を指す。
毎日、終日参詣客が耐えない龍山寺
台北の本屋で立ち読みした(笑)歴史の文献によると、
この一帯は、原住民の言語で「艋舺(Mankah)」(マンカァ)
と呼ばれていたらしい。
意味は、丸木舟が沢山集まるところだと書いてあった。
今も公園の名前に旧地名が偲ばれる
清の時代に交易拠点として街が形成され、
台北でも最も古くから栄えた地区のひとつである。
いにしえの繁栄の名残りを残しているような建築物
日本統治時代に、日本人に馴染みやすいようにするためか
同じ発音で「万華」と字を当てたそうである。
戦後、大陸からの表記に改められ、
今の「萬華」(マンホア)となったために、
もともとの地名「艋舺」は、字も発音もすっかり変わってしまったのである。
高雄(旧名は打狗)など、
同じように表記が変わってしまった地名は至る所に存在する。
萬華地区は、門前町、下町風情が残っており、
いつもは、僕も滅多に足を運ぶことは無いが、
時折、時間を気にせず歩いてみたいエリアのひとつである。
さあ、街歩きをはじめよう!
(次回に続く)
田中 豊
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