都城で講演

宮崎県の都城市で講演させていただいた。

JA都城の合併30周年の記念大会ということで、
管内600名近くの生産者、流通関係者、来賓などが集まる大規模な
式典だった。

050701mikakonojo

日本有数の農業県である宮崎の層の厚さを肌で感じた。

講演では、
農産物の国内外の新しい流通や海外との輸出入の動向などについて紹介させていただいたが、ここでも2時間にわたり、皆さん熱心に耳を傾けていただき大きな手ごたえを感じた。

都城は、宮崎県にありながらも、かつては薩摩藩に属し、
もともと島津氏の先祖の出自の地だそうである。

どちらかというと、おっとりとした気風の宮崎にあって、
ここは

  「泣こかい、飛ぼかい、
   どうせ泣くなら、飛んだ方がまし」

という進取の気風があるという。

変革の時代にあって、頼もしい土地柄だ。
きっとチャレンジ精神が旺盛なのだろう。

講演後の懇親会で農産物輸出の話しをしても、
幹部生産者の「すぐやる、今やる」の反応で、
こちらが驚くほどだ。

都城管内は、畜産業がとても盛んで、
市町村単位では畜産品の生産高は日本一だそうである。

青果物では、
甘藷(かんしょ)、キュウリ、茶、ゴボウ、らっきょう、キンカンなどが並ぶ。

講演の翌朝、地元の甘藷生産農家を訪ねた。

ここでは、一般に「からいも」と呼ぶそうで、
宮崎紅という品種の超早生を選別していたが、
その鮮やかな紅色は、目を見張った。

050701karaimo

見栄えを良くする為にと、人手によって一本一本ひげを鋏でカットしてる。
大変な作業だ。
大きさ、グレードによって選別され、袋やパック詰めにされて
大阪、東京、福岡などに出荷されているという。

050701karaimomuki

実は、この甘藷、細長くて小さめのものが
「ミニ甘藷」として、昨年香港でブームとなり、
その人気ぶりを現地で目の当たりにして驚いた記憶がある。

とにかく主婦や若いOLが日本産の甘藷を買い求めていくのである。

050701hknokansyo
(香港の日系デパートにて 2004年12月)

その後、台湾やシンガポールでも
宮崎産、徳島産、高知産が売られているのを確認した。
この事実を日本の生産者は、ご存じないようだった。

現地の中国人は、どのようにして食べているのだろうか?

都城の生産者のおすすめは、ふかして食べるか、天ぷらにするのが
良いそうだ。

東京でもスイートポテトやチップが人気だ。
加工品への応用にもチャンスがありそうだ。

アジアマーケットでも日本産「唐芋」のブームが来るかもしれない。

The following two tabs change content below.

田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。

“都城で講演” への1件の返信

  1. 都城でのご講演お疲れ様でした。
    都城は島津発祥の地ということで、宮崎県の中でも伝統的に進取の気風があります。
    貿易も盛んで、宮崎県をリードする土地柄です。都城に続いて、県内他の地域でも農産物の輸出が盛んになるために微力ながら小生もしっかり頑張らせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

コメントは受け付けていません。