海外を取り込むスピリット

佐賀県西部に位置する白石(しろいし)町にある杵島(きしま)農業改良普及センター主催の勉強会に参加させていただいた。

金木犀の香りがする駅を降り立つと、延々と刈り取った後の田んぼが広がる。

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ここは県の機構であるが、所長をはじめ、若い職員にいたるまでとても勉強熱心な皆さんだった。土地柄なのだろうか。情報交換の場では、次々と質問や意見が出され、予定時間を大幅に超えてしまった。

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(センター全景)

ここでは水稲以外に、タマネギは全国トップクラスの生産高を誇り、ほかにもアスパラガスやレンコン、花卉、イチゴなども栽培されているそうだ。

技術開発にも熱心なようで、閉会後、面白い生食用の葉野菜を紹介してもらった。一見なんでもないサラダ菜のように見えるが、よく見てみると表面に**が噴いているようなとてもユニークな形状だ。

こりゃすごいインパクトだ! しかも、葉を生で食してみると、なんと**味がするではないかッ! すごい! 話によると、何でもアフリカ原産の品種を改良したものらしい。

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(残念ながら、まだ公表できない)

現在開発中なので、実は詳しく紹介できない。ごめんなさい。量産できれば、近いうちに、杵島**や白石**というサラダ野菜が発売されることになるかもしれない。お楽しみに。

こんなインパクトある商品であれば、国内市場と同時に海外にも輸出してみたらどうだろうか、と考えてみた。「技術革新」「販路開拓」このふたつを自分たちの手で行えば、これはすごい自信と活性化が図れることだろう。

また、地域の女性グループが開発したという、地元産大豆を使用したテンペを紹介してくれた。テンペとは、インドネシアで食べられている大豆の発酵食品で、納豆そっくりである。

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(商品カタログより抜粋)

現地では油で揚げたりして食べられているが、日本の納豆と違うところは、粘り気がなく、あの特有の納豆臭さがない。大豆イソフラボンをはじめ栄養価も高いらしく、コレステロール値や血圧を下げる効果もあるということで、最近、健康食品として、日本でも食べられるようになった。

どっこい日本の女性生産者もやるではないか。
「日本商品は海外ではすぐにコピーされるから」などと屁理屈を言わずに、しっかりと海外の良いものを取り入れてアレンジして開発している。こうでなくちゃ。本場に逆輸出する事だってありうるかもしれないゾ。

白熱したやり取りを終え、とても心地よい疲れを感じて、白石の町を後にした。

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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。