今年も各地で美味しい食べ物、素晴らしい食材
珍しい料理に出会ったが、
最もインパクトが強かった体験をご紹介しよう。
「あああああ~っ! もう耐えられない!
腰が悲鳴を上げているぅぅぅ~ッ。」
6月のこの時の出張は特別に強行だった。
台湾で、台北から台南に下り、
車で山中を10時間くらい走破して、
そのままベトナムへ移動。
そのくらいならよくある話なんだけど
翌日、以前のエントリで取り上げた
ドラゴンフルーツの里ファンティエットに
ホーチミンから往復12時間越えの1泊視察に行ったあと
間を開けずに、ホーチミンからまた西に向かって
ひたすら移動。
田園地帯をとにかく横断する
もうフラフラでどこに行っているかの興味も失せ、
ただ腰だけをかばっていた記憶しかない。
やはり6時間くらい乗っていただろうか、
着いたところは、ベトナム南部の農村地帯。
着いたところは、ベトナム南部の農村地帯。
ジャングルみたいでもある
海からは程遠い内陸部であることだけは分かった。
ドンタップ省という行政区で
後で調べたら、北側はカンボジア国境らしく
後で調べたら、北側はカンボジア国境らしく
メコンデルタの一角にあるらしい。
あるプロジェクトの視察に来たのだが、
ここで手荒な、もとい、大歓迎を受けたのだった。
中国や東南アジアでも、田舎に行くと
想像を絶するような歓迎をされたり
宴会に呼ばれたりすることがしょっちゅうある。
仕事の話も無事に終わり、
吹き抜けの屋根の下で、地元のパートナーが
吹き抜けの屋根の下で、地元のパートナーが
手作りのご馳走を振る舞ってくれるというのである。
まず最初に茹でたての蓮の実が、お通しで出てきた。
これがホントに美味!
日本のブランド栗にも引けを取らない
甘みとホクホク感だった。
初めての食べ方だった。
次に出されたのが、
自家菜園で栽培している茹で野菜の盛り合わせ。
自家菜園で栽培している茹で野菜の盛り合わせ。
ニンニクだれが誠に美味しゅうございました。
続いては、蒸した地鶏の香草和え。
歯ごたえは地鶏のものだけど、
それでいて柔らかく、味が濃くて、何よりもとてもジューシー。
ここまで来たら次々と。
家庭で作ったバインセオ。
初めて食べたベトナム式お好み焼き。
息子がエビを焼いてくれた。薫りが香ばしい。
「さあ、出来たわよぉ~っ!」
と、ここの大奥さんが運んできたのが、
ヘビのスープ。
僕は、香港で冬の名物として
時々食べるんだけど、ちとグロテスクでもある。
滋養にいいらしい。
次に出てきたのが
本日のメインディッシュである。
ネズミの丸焼きだ。
「うわっ・・・!?」
僕は、絶句してしまった。
今年のメモリー。
僕は、20代の頃、広東に毎年2回延べ2か月以上を
8年間滞在していたから大抵の動物や
熊の掌、象の鼻、駱駝のコブなどの珍味部位など
ここでは公表できないほど
珍奇鳥獣の類を食べた経験を持っている。
珍奇鳥獣の類を食べた経験を持っている。
当時中国はワシントン条約にも入っていなかったし
「野味」といって、それが
広東料理の名物ジャンルのひとつでもあった。
それでも、このネズミさんだけは、食べた記憶がない。
酒の飲めない僕は、いつも食べる担当。
意を決して一匹全部頂いた。
地元の人やホーチミンから同行したスタッフにとっては
もちろんご馳走だから、僕は嫌な顔をする訳にはいかないのだ。
聞けば、ここの大奥さんは、
事前に高級食材を買い込んできて、
前日から料理を仕込んでおいてくれたらしい。
事前に高級食材を買い込んできて、
前日から料理を仕込んでおいてくれたらしい。
ニコニコ完食しました。
この後も、まさに野味のオンパレード。
いつも間にか腰の痛みを忘れていたのは
気のせい?
それとも野味の滋養効果?
日本メンバーのひとりが
ベトナム入りして早々と胃腸を崩し
何も食べられないからといって、
わざわざ作ってくれたのが、この地鶏のおじやだった。
これがもう絶句するほどの美味しさだった。
銀座の高級水炊き屋にも劣らぬ深い味わいだった。
最後には果物の女王マンゴスチンや竜眼、
スターフルーツ、濃厚バナナなどを頂いて
心から満足したフルコースだった。
こうして紹介するとベトナムの奥地は
まだ未開の、遅れた地域などと誤解されそうだが、
ここで出会った農村風景や生産者一家の温かい愛情は
日本の里山で感じたそれと少しも変わらない。
この日のシェフ 大奥さんはスケールが大きい
ビジネスパートナーでもあるご当主とも完全に打ち解けた
別れ際には涙が止まらないほど
ベトナムの生産者と心が通じ合い、
これから良いビジネスにしようねと誓い合ったのだ。
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田中 豊
地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。
海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。
とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。
「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。
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