11日付の西日本新聞と10日付の毎日新聞に福岡県の農産物輸出に関する記事が掲載された。
ネット配信から記事全文および画像もそのまま引用させていただく。
県産農産物の輸出好調 05年度、過去最高の6億円超 アジアで販路拡大 高級志向「あまおう」人気
台湾や香港に向けの輸出が好調な県産イチゴ「あまおう」2005年度の県産農産物の輸出は、特産のイチゴ「あまおう」の輸出量が前年と比べ1.7倍に増えるなど好調で、輸出総額は過去最高の6億1000万円となった。海外で農産物をPRする「福岡フェア」の開催や、シンガポールなどへの新販路開拓などが効果を上げた。今後はアジア向けの販売戦略をさらに強化し、08年度までに輸出額20億円達成を目指す。
■「08年度までに20億円」
県によると、県農産物は、イチゴ、カキ、ブドウなどの果物や野菜類など約25品目が、中国や香港、台湾など9地域に出荷されている。輸出額は、03年度の2億100万円が、04年度に4億2500万円、05年度には6億1000万円と順調に伸びている。
05年度は、ナシを初めて中国・上海に輸出し、百貨店で本格的なセールスを展開。海外の流通業者を個別に招き、県内の産地との商談をまとめるなど販路の拡大にも取り組んできた。特に、「あまおう」は消費者の高級志向が高まっている台湾や香港で人気。03年度に1.4トンだった輸出量は、04年度23.4トン、05年度40トンと急増している。
県は、アジア諸国と地理的に近く、鮮度を保った状態で輸出することができることや、香港では春節(旧正月)や中秋節などにフェアを開き、贈答品として売り出したことがあまおうの輸出増につながったとみている。
今後は、あまおうの輸出先をシンガポールやタイにも拡大するほか、香港や台湾でのイチジクの本格販売を計画。欧州でもドイツなどで八女茶の販売先を開拓するなど、いっそうの輸出拡大を目指す。
県は「今後も積極的に品質のよい県産農産物を輸出する“攻め”の姿勢で、輸出先と品目を増やし、県内産地の活性化につなげたい」と話している。
=2006/05/11付 西日本新聞朝刊=
あまおう:県産ブランドイチゴ、アジア向け輸出好調 イチジクなど売り出しへ /福岡
◇イチジク、茶など
県産のブランドイチゴ「あまおう」のアジア向け輸出が好調だ。一昨年度の23・4トンから昨年度は40トンと、倍近く増えている。中国産など低価格の輸入モノに押される国内農産物だが、県は、海外では珍しいイチジクや潜在的な需要を秘める茶など、他の農産物の輸出にも力を入れる。
県は4年前からあまおう輸出に力を入れ始め、昨年度は中国・上海、香港、台湾の輸入・小売業者を招いておいしさをPRした。あまおうは香港などの百貨店では、国内販売価格(1キロ1100円)の約1・5倍もする高級品として並んでいるが、順調に輸出量は伸びているという。
県は今後、シンガポールやタイなどに対象地域を拡大する方針で、大消費地を抱える中国についても「現在、政府レベルで協議中」だ。
あまおうの他にも、県産イチジクが香港、台湾で人気を得ている。県産は全国2位の生産高を誇るだけに、県は今年度、イチゴの出荷の端境期にあたる8~9月にイチジクを売り出す予定。
また、日本食の浸透につれて茶の消費が進んでいる欧米をターゲットに、八女茶の輸出も検討。今年度は「ドイツ・フランクフルトの県の駐在員を使うなど、現地での市場調査をしていきたい」と県は話している。
=毎日新聞・福岡都市圏版5月10日朝刊=
記事のとおり、昨年度はJA関係者、地元企業、および「福岡の食・輸出促進センター(県農政部)」スタッフの並々ならぬ努力で販路拡大を実現した。天候不順や国内調整で厳しい経営環境にも関わらず、これだけの実績を作られたことに心から敬意を表したい。今年度も引き続き成果を挙げて、地域農業振興のために貢献できることを強く願っている。
田中 豊
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