整備を進める博多港

 
多湾のアイランドシティ地区で9日、国際コンテナターミナル整備事業着工式が行なわれた。

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国交省、福岡市など行政をはじめ、工事関係者、各界来賓や福岡地区選出の国会議員、多くの報道陣が式典に参加した。

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神官による安全祈願祭礼の後、式典が行なわれ、国土交通省九州地方整備局長および福岡市長が挨拶に立った。

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国交省九州地方整備局 小原局長
 

最後に来賓によるスイッチ起動が行なわれ、海上のポッパーが作動して工事が始まった。

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最近、北部九州への自動車関連産業の集積や躍進する東アジア各国との活発な輸出入を背景に、博多港で取り扱われるコンテナ貨物は急増している。

この10年間で全国平均で約1.5倍の伸びに対して、博多港は2.4倍の勢いである。

コンテナ船も大型化しており、その対応として岸壁水深15mのコンテナターミナルが計画されている。

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この地点にターミナルが整備される

   

また昨年、予想外の地震を体験した博多港は、今回耐震仕様となっている。

平成20年初めの供用を目指してこの日工事が始まったが、高規格のコンテナターミナルが整備されることによって、国際中枢港湾としての更なる貢献が期待されている。

博多港は、主に工業製品や素材などを輸出し、肥飼料、食品、民生品などを輸入しており、産業の動脈として重要な役割を担っている。

 

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既存の14mバースでは効率よい荷役が行なわれていた

  

物流の利便性が向上することにより、新たなビジネスが発生する。

アジアとの近接性を生かすためにも、今後も地域の物流機能が高まることは、自動車・IT半導体関連から農産物・食品に至るまで幅広い産業振興の可能性を押し広げるもっとも有効な「架け橋」のひとつであると実感している。

  

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さらに一歩動き出したアイランドシティー事業だが、真に地域社会に貢献し、少しでも効率的で将来ビジョンに即した現実プロジェクトとなるよう、今後も多くの人たちの知恵と努力を結集していかなければならない。

  

私は仕事を通じて様々な産業の国際化支援に携わっているが、ビジネスマンは海運および港湾の機能や利便性について、もっともっと認識を深めておくと大きな武器になると考えている。

  

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国際交流最古参の地 ―長崎

   
毎年10月7日から9日まで「長崎くんち」が行なわれる。
   

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(船大工町の川船)
  

9月9日の重陽節に行なわれたので「くにち」が「おくんち」になったものと言われている。

 

今年は3連休とピタリと重なり、中秋節にも重なった上に好天に恵まれたから、長崎の街は県内外から集まった大勢の人でごった返した。

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(新地中華街のランタン)

 

私は初めてのおくんち参観で、2日間にわたり大いに堪能させてもらった。

これまで、私は長崎くんちは、奉納される諏訪神社の境内でしか見られないものとばかり思い込んでいたのだが、3日間の期間中、市内随所を練り歩き、主要ポイントで出し物の演技が披露される事を知った。

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今回はJR長崎駅前のかもめ広場に陣取って、6つの出し物を鑑賞した。

すでに372年の歴史のある長崎くんちは日本三大まつりのひとつに数えられ、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。

 

今年は6つの町が素晴らしい出し物を披露してくれた。

数トンもある山車(だし)を前後に勢いよく引いたり、クルクルと廻す曳き物。男衆たちの力強さは他の勇壮な祭りと比べても引けをとらない。
 

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(本石灰町の御朱印船)

演技が終わるたびに、観客から威勢よく「モッテコーイ!」 「ショモー(所望)ヤレー」と掛け声がかかると、また引き返して再度演技を始める。

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会場全体が「モッテコーイ・コール」でどよめく
 

いわば祭りのアンコールである。これが感動ものなのだ

演技者も観客も一体となって、大きな興奮に包まれる。
   

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(万屋町の鯨の潮吹き)

 

また、本踊りと呼ばれる日本舞踊や阿蘭陀漫才など、あでやかな舞いや子供たちのコミカルな動きは、しばし緊張をほぐしてくれる。

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(栄町の阿蘭陀漫才)

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町の幹部の装束も面白い。
   
日本の羽織に、下は中国の唐人パッチを履き、西洋の山高帽子をかぶるのだ。

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そう、和・華・蘭(わからん)チャンポン文化なのである。

 

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(ベトナムから凱旋帰国したテーマがモチーフに)

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ベトナムのアオザイ姿も…
  

お囃子の音楽も、三味線あり、銅鑼や鐘もあり、異国情緒がタップリだ。
 

翌朝、各町内の出発式も見学した。

41年ぶりに参加する花町があった丸山町は、さすがに粋な風情。

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(丸山町の出発式の模様)

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地元に根付き、老若男女地域共同体の伝統が垣間見えて興味深かった。

鎖国時代から、海外交流の唯一の窓口として重要な役割を担った長崎。

日本で最も早くから国際交流を始めていた長崎の人たちの活躍の舞台は今も世界に広がっている。

いわば国際派最先端のDNAを持った人たちだ。
  

どこかハイカラでセンスが良く、垢抜けているのも港町特有の情緒かも知れない。

 

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期間中、こうして町中を練り歩く

  

一度はぜひ足を運んで見学することを勧めたい秋祭りである。

  

韓国人、台湾人観光客はもとより、インド人、ロシア人、マレー人の観光客を見つけた。誘致活動もすすんでいるようだ。

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長崎駅にて

   

2日間にわたり案内してくれた国際派のNさん、本当にありがとうございました。

 

シンガポールでも常設店オープン

シンガポールでも日本産農産物・食品の常設店舗コーナーが、今月1日、伊勢丹シンガポールスコッツ店で正式オープンした。
  

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先のクアラルンプルに次ぐもので、
同じく農水省の支援事業の一環として半年間にわたり恒常的な販売コーナーの設置と週替わりの販促イベントが行なわれ、全国各地の特徴ある商品がテストマーケティングされるシステムだ。
   

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日本各地の特産物が販売される

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香港と同じ自由貿易港であるシンガポールは、手続き上の障害も少なく、また一人当たりのGDPも日本の地方並みの高さを示しており、 成熟した地元消費者が高付加価値の日本食品を抵抗なく購入する。

常設コーナーのオープンセレモニーには、宮腰農林水産副大臣をはじめ、日本大使館磯部公使、和泉農水省輸出促進室長、そしてシンガポール政府関係者、地元日系財界関係者が出席した。

   

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スピーチする伊勢丹シンガポール森社長

   
私も末席に参加させていただいたが、今回、地元の人たちから熱い注目を集める招待者がいた。

DAWN YEOH(ドーン・ヨー)ちゃんというシンガポールの有名タレントだ。今回、日本農産物の販促支援にも一役買ってくれることになったのだ。
  

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宮腰副大臣(右)とドーン・ヨーさん
  

司会者から名前を呼ばれると、あちこちから黄色い声が飛んだ。
トレンディー俳優なのだろうか。すごい人気だ。

今後、TVドラマなどで美味しいフルーツを頬張るシーンが見られるかもしれない。

   

常設店オープンと共に、会場は多くの買い物客で賑わった。

やはりシンガポールの購買力は本物だ。
  

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北海道物産展がシンガポール伊勢丹で開かれたそうであるが、2年目の今年、バイヤーも驚く売り上げの大記録を打ち立てたのだそうだ。

その裏側では、やはり出展企業すべてが販売員を日本から派遣し、実演も交えてしっかりと販促活動をした結果だということだ。
  

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日本の職人の実演には、今日も長蛇の列が
  

いかに購買力がある国でも、人任せの販売では全く見向きもされない。海外市場で商品やブランド、地名の認知度を上げるには、絶対に手抜きをしてはいけないことを今回も教えられた。

  
   

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独立記念日の大フィーバーに遭遇!!(その2)

(前回から続き)

ホテルのマネージャーに案内された屋外プールの眼下に広がる独立記念日カウントダウンの会場を見下ろすと、なんともおびただしい数の群集がいつの間にかぎっしりと埋め尽くしているではないか。

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もう何万人なのか何十万人なのか判らない。
とにかく180度・視界は無数の大群集だ。

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  信じられない!
 

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あまりの興奮にカメラを構えていられない!

 

先程まで命の危険すら感じていた現場に比べて、
いま僕が立っている所は、隣でシャンペングラスなどを傾けるような会員制のVIP屋外ラウンジなのである。まるで天上界の穏やかさ。
 

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なんだか子供の頃に読んだ孫悟空の中に登場するお釈迦様が下界を見下ろすあのイメージと同じ感覚なのだ。
 

 ウ~~ン 複雑な心境!!
 

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会場のあちこちに巨大モニターが設置されていて、別の屋内会場の巨大イベントの模様を映し出している。

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ちょうど年末の紅白歌合戦のような国民的カリスマ番組のようで、人気アーティストが登場するたびに歓声が沸き起こる。

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なんだか、だんだんトランス状態になってきたゾ。
 

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興奮状態が最高潮に達した午前零時を迎える時

会場全体から

「ティガ(3)! ドゥア(2)! サトゥ(1)!!!」

カウントダウンの大合唱が起こり、一斉に歓喜に包まれた。

その場の空気が震えるくらいの大歓声が沸き起こり
爆竹の音やロケット花火の発射音が起こるたびに、
ワァ~ッという叫び声があちこちで発生する

 

こんな体験初めてだ。

 

そのうち、何万人が合わせたかのように
マレーシア国歌を大合唱を始めた。

 
Negaraku, tanah tumpahnya darahku,・・・・

  

誰もが一度は聞いたことがありそうな覚え易い旋律の曲だが、
これだけ圧倒されるほどの国歌斉唱を聞くと
人様の国の国歌でありながら
ジ~ンと涙があふれ出てきそうに感動した。

 
そうなんだ。アジアの大半の国は抑圧から解放されて独立を勝ち取った国なのだ。
その実感を若い彼らも受け継いでいるのかもしれない。

しばらくすると、メインイベントの打ち上げ花火が何十発と大輪の花を咲かせ、爆音と共に群集の歓喜の声とが渾然一体となった。

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三脚なしの花火撮影は無謀とわかりながら・・・

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まったく偶然にすごい場所で、すごい体験をした。
 

花火の終了と共に、興奮に包まれたカウントダウンイベントも終了した。
             

やはり地上界で生きてる僕も、もう一度会場の人ごみの中に飛び込んでいった。

       

観衆は大挙して帰路に着くのだが、いつまでも人の波が続き
何処からこんなに湧いてくるのかと、延々とそれが途切れることが無かった

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  イエ~ぃ!!

 

終了してから一時間を過ぎても、若い人たちは余韻を楽しむかのようにその場を離れようとしなかった。

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(うたげ)の後・・・

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マレーシアに栄光あれ!!

 

独立記念日の大フィーバーに遭遇!!(その1)

クアラルンプルの街を散策してみると、
あちこちで国旗を掲げている家や商店が多いから
なんてマレーシアの国民は愛国的なんだろうと感心していたら、
8月31日は、マレーシアの独立記念日だということを後で知った。

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この日の晩の午前零時には、
大規模なカウントダウン・イベントがあるから
付近は混乱するので絶対に外出しないで欲しい
駐在の方から注意を受けた。
  

何事も絶対にダメ、絶対に出来ない、と言われれば、なおさらやりたくなるのがヘソ曲がりな私の信条。

 

「わずか数度訪問した国で、年に一度の大イベントがあるというのに、これを体験しないなんて・・・。」 
 

噴き上がる衝動を抑えられるはずもない。

 

30日の夕方ごろから、
ツインタワーの前の噴水のあるとても美しい公園(KLCC PARK)に、次第に人が集まってきた。

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カウントダウンは深夜だというのに、夕方4時過ぎにはもうこんなに人が集まっている。

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完全に暗くならないうちに、もう広大な公園内は集まってきた人たちで身動きが取れなくなっていた。

若い人を中心に、カップル、家族連れ、ヤンキーな少年少女たち…
  
年配者が少ないから、何か形容できないような強烈な熱気を感じる。

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日本の建国記念日のように律儀な年配者ばかりが参加する式典とは大違いだ。

 

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そのうち気が付くと、すでに群集の流れの渦に身をゆだねており、もう自分の意思では方向を決めて歩けない。

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マズイッ!危険だッ。
 

今になって、駐在の方の忠告を守っておけばよかったと後悔した。

ほんの少しだけ…。
  

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手荷物も財布もカメラもどうなるか分からないし、
何かパニックでも起こったら、間違いなく怪我人が出るだろうと予感したので、流れに乗りながら少しずつ出口を見つけ、(は)うようにしてやっとのことで外に出ることが出来た。
 

ホッとした!命拾いした。

これが最初の感覚だった。

  

これで世紀のカウントダウンの瞬間も見られないのかと諦めかけたのだが、今回はとてもラッキーだったのである。

 

それは今回の宿泊ホテルが、ツインタワーの隣にそびえる
マンダリン・オリエンタルホテルだったからだ。

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クアラルンプルでもトップクラスのこの高級ホテルは
外出するよりホテルの各施設を利用していた方がずっと居心地が良いほど、素晴らしいサービスを提供するホテルだ。

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この体験を記述するだけでブログ記事が書けるほど感動したのだが、それはまた別の機会にするとしよう。
 

実は、親しくなったフロントの中国系の女性マネージャーに事情を話したら、
それならばと、会員制の屋外プールのラウンジに特別に案内してくれて、なんとカウントダウンの会場が一望できる信じられない特等席に腰をすえることが出来たのだ。

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ここには一年前から予約しているような国内外のVIPの富豪家族ばかりが来ていて、なんともセレブな雰囲気に包まれている。

 

そして、階下に広がるカウントダウン会場を見下ろすと
なんと数万人などではない、
おびただしい数の大群衆が会場をぎっしりと埋め尽くしているではないか・・・。 
                                  (続く)

クアラルンプルの日本食品販売事情

 
30日に開業した日本産農産物の常設店舗事業は、主に販売コーナーと週ごとの販促イベントから構成されている。

販売コーナーについては、オープン記念ということで
様々な商品が店頭に並んでいた。

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そのアイテム数の多さにも驚いたが、
鮮度の良さも私の想像以上だった。

通関上の特別の配慮はなかったそうである。

 

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果物の王様 クラウンメロンが約4600円なり

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泉州特産の水ナスまでも売っていた!

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JAS認証マークつきの加工品も
 

 
マレーシアといえば、誰もが知る回教徒の国で
中東に行かずともその食文化のギャップを体験することが出来る。

 

最も顕著なのが食肉の扱い。

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特に豚肉は回教徒は絶対に口にしないし、扱う事だって忌み嫌う。

牛肉や鶏肉、羊肉だって、回教のしきたりに従って処理されなければならないという。

だから、豚肉を販売するには、
わざわざ「NON-HALAL」というコーナーを設けて販売されている。

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「HALAL(ハラル)」とは、イスラムの律法にのっとった食べ物という意味で、厳格に守られている。

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中国系消費者にとって、肉といえば豚肉を指すくらいだから、
現場を理解するのにこちらの方が戸惑ってしまう
 

また、回教徒は飲酒をしないのだが、単に酒類を買わないだけでなく
食品に添加してあるアルコール類にも厳しくチェックがかかるから
販売サイドはものすごく気を遣うのだそうである。

だからアルコール添加物を除去したカステラなどは
私達が食べるとなんとなく物足りない食味になるらしい。
味醂(みりん)や獣脂なども同様だ。
 

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人気のケーキも日本とは違うのだろうか?
 

国が違えば、対応を替えなければならないことの良い例だ。

もちろんこのデパートでは
日本から清酒や焼酎などもしっかりと輸入販売されているから
ダメだと諦めるのは早とちりということになる。

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マレーシアでもこのとおり、日本の酒類が豊富
  

異文化をいかに受け入れ、それに適切に対処することも
販路開拓の重要な要素になる
だろう
 

逆に、日本食品の特徴や食べ方などについても丁寧に現地消費者に伝えなければならない。この手間を抜いて海外での普及は考えられない。

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東アジアとアラブのクロスロードとも言えるマレーシア。

 
我々にいろいろな情報を与えてくれる・・。
 

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同じ回教徒の衣装といえど、こんなにも違う・・・

  

クアラルンプル常設店がオープン

   
レーシアの首都クアラルンプル
日本産農産物の常設販売コーナーがオープンした。

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これは、農林水産省が支援する半年間のロングランの販促事業で、今年は2年目になる。

8月30日にオープンセレモニーが行なわれ
私も参加させていただいた。

 

常設コーナーが設置されるのは、伊勢丹KLCC店で
クアラルンプルのシンボルである、
つい最近まで世界一の高さを誇っていたペトロナス・ツインタワーと連結する高級ショッピングモールであるKLCC(Kuala Lumpur City Centre)といえば、知っている人も多いだろう。

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ここ伊勢丹KLCC店は、
クアラルンプルでも最もハイグレードな百貨店のひとつで
同国で高級ブランドとして日本産農産物を販売するには
格好の条件にあると言える。

  

午前11時、セレモニーは日本から招いた和太鼓のパフォーマンスから始まった。

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日本側を代表して、
宮腰光寛農林水産副大臣がスピーチを行なった。

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日本産農産物の素晴らしさについて、現地消費者や来賓に向けて
熱いメッセージを送った。

  

続いて、会場の除幕式が執り行なわれ、正式オープンとなった。

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左から、横山伊勢丹(ML)社長、今井大使、宮腰副大臣、大竹ML日本人商工会議所事務局長

 

その後、鳥取産20世紀梨がプレゼントとして来場者に配られたが、
地元の多くの消費者が長い列を成して受け取り、大喜びの表情だった。

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話によると、この日プレゼントされた20世紀梨は、
地元鳥取でも今年の一番出荷の記念すべき初荷」であったという。

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すなわち、地元と東京とクアラルンプルで同時に初物が食べられるという時代になったのだ。

  
スピーチの中で、伊勢丹マレーシアの横山社長の紹介によると
この日のオープン前日の準備段階で
棚に果物を置いた途端、一個22リンギット(約700円)のモモや
一房50リンギット(約1600円)のピオーネがまたたく間に売れ、
オープンを待たずに1000リンギットの日本産農産物が売れ

関係者をびっくりさせたという。

 
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ひと房1600円のピオーネをお買い上げ

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試食コーナーには、すぐに人が集まる

 

また、その後の総括では、オープン当日の売り上げは約10万日本円相当ということで、それまで、ほとんど同店で販売されていなかったことを考えると、幸先良いスタートを切ったと評価されている。
  

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しかし、シンガポールや香港、台湾に比べ購買力は明らかに劣り、
商物流、商慣行が不透明な国だけに、今後の推移が大いに注目される。

青森で守りと攻めを考える

日の豪州戦、残念でしたねぇ。」
「最後の10分間、虎の子の1点を守ろうと、攻めることを忘れ、隙が出来たのでしょうか?攻めと守りのバランスは難しいですね」とつい壇上から叫んでしまった。にわかサッカーファンのくせに…

「社団法人東北経済連合会創立40周年記念フォーラムin青森・東アジア交流の未来」が、13日青森市内のホテルで開催され、パネルディスカッションのパネリストとして参加させていただいた。

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前半は、伊藤忠中国総合研究所の古屋代表による「中国の今後の動向と日本企業」をテーマに講演が行われた。

幅広いテーマと事例をもとに、とてもわかりやすく実践的な内容だった。

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中国は不安定な社会事情ではあるが、今後も持続的成長は可能であり、「政冷(政治関係の冷却化)」が叫ばれる日中関係も「経冷(経済関係の冷却化)」にはつながらないだろう。ただし、個別ビジネスではしっかりとリスク管理をして中途半端な取り組みはしないことの重要性などについて説かれたが、とても共感を覚えた。

後半のパネルディスカッションでは、東北学院大学の柳井教授をコーディネーターに、地元企業家お二人、青森県、そして私の4名で中国・アジアビジネスの要点について事例紹介した。

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会場は330名におよぶ東北一円から集まった企業人や個人が熱心に耳を傾けた。

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青森といえば、リンゴ、ナガイモ、ホタテなどの海外向け輸出では実績があり、日本の成功モデルでもある。農産物・食品輸出の面では、むしろ私が学ばなければいけない地域だ。

今、東北地区では、観光誘致をはじめ様々な分野で東北7県が連携を模索している。今後、東北経済連合会の役割は更に重要になることだろう。

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幕田圭一東北経済連合会会長の挨拶

攻めの姿勢が感じられる東北地域。国際ビジネスでいつもキーワードになる「守りと攻め」の話題で、ワールドカップの話題につい触れてしまったのである。

若きサムライ戦士たちを今こそ応援したいし、また、自らの海外へのチャレンジ精神を奮い立たせている。

夜、昨年1月に記録的な大雪に見舞われた時、青森で初めて聴いた津軽三味線をもう一度堪能した。

先回同様、感動に心が震えた。

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「日本的なものほど国際的になる。」

今夜もそう感じた。青森がさらに親しくなった。

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ねぶたのミニチュア

新聞報道に掲載

11日付の西日本新聞と10日付の毎日新聞に福岡県の農産物輸出に関する記事が掲載された。
ネット配信から記事全文および画像もそのまま引用させていただく。

県産農産物の輸出好調 05年度、過去最高の6億円超 アジアで販路拡大 高級志向「あまおう」人気

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台湾や香港に向けの輸出が好調な県産イチゴ「あまおう」

 2005年度の県産農産物の輸出は、特産のイチゴ「あまおう」の輸出量が前年と比べ1.7倍に増えるなど好調で、輸出総額は過去最高の6億1000万円となった。海外で農産物をPRする「福岡フェア」の開催や、シンガポールなどへの新販路開拓などが効果を上げた。今後はアジア向けの販売戦略をさらに強化し、08年度までに輸出額20億円達成を目指す。

■「08年度までに20億円」

 県によると、県農産物は、イチゴ、カキ、ブドウなどの果物や野菜類など約25品目が、中国や香港、台湾など9地域に出荷されている。輸出額は、03年度の2億100万円が、04年度に4億2500万円、05年度には6億1000万円と順調に伸びている。

 05年度は、ナシを初めて中国・上海に輸出し、百貨店で本格的なセールスを展開。海外の流通業者を個別に招き、県内の産地との商談をまとめるなど販路の拡大にも取り組んできた。特に、「あまおう」は消費者の高級志向が高まっている台湾や香港で人気。03年度に1.4トンだった輸出量は、04年度23.4トン、05年度40トンと急増している。

 県は、アジア諸国と地理的に近く、鮮度を保った状態で輸出することができることや、香港では春節(旧正月)や中秋節などにフェアを開き、贈答品として売り出したことがあまおうの輸出増につながったとみている。

 今後は、あまおうの輸出先をシンガポールやタイにも拡大するほか、香港や台湾でのイチジクの本格販売を計画。欧州でもドイツなどで八女茶の販売先を開拓するなど、いっそうの輸出拡大を目指す。

 県は「今後も積極的に品質のよい県産農産物を輸出する“攻め”の姿勢で、輸出先と品目を増やし、県内産地の活性化につなげたい」と話している。
=2006/05/11付 西日本新聞朝刊=

あまおう:県産ブランドイチゴ、アジア向け輸出好調 イチジクなど売り出しへ /福岡

 ◇イチジク、茶など
 県産のブランドイチゴ「あまおう」のアジア向け輸出が好調だ。一昨年度の23・4トンから昨年度は40トンと、倍近く増えている。中国産など低価格の輸入モノに押される国内農産物だが、県は、海外では珍しいイチジクや潜在的な需要を秘める茶など、他の農産物の輸出にも力を入れる。
 県は4年前からあまおう輸出に力を入れ始め、昨年度は中国・上海、香港、台湾の輸入・小売業者を招いておいしさをPRした。あまおうは香港などの百貨店では、国内販売価格(1キロ1100円)の約1・5倍もする高級品として並んでいるが、順調に輸出量は伸びているという。
 県は今後、シンガポールやタイなどに対象地域を拡大する方針で、大消費地を抱える中国についても「現在、政府レベルで協議中」だ。
 あまおうの他にも、県産イチジクが香港、台湾で人気を得ている。県産は全国2位の生産高を誇るだけに、県は今年度、イチゴの出荷の端境期にあたる8~9月にイチジクを売り出す予定。
 また、日本食の浸透につれて茶の消費が進んでいる欧米をターゲットに、八女茶の輸出も検討。今年度は「ドイツ・フランクフルトの県の駐在員を使うなど、現地での市場調査をしていきたい」と県は話している。
=毎日新聞・福岡都市圏版5月10日朝刊=

記事のとおり、昨年度はJA関係者、地元企業、および「福岡の食・輸出促進センター(県農政部)」スタッフの並々ならぬ努力で販路拡大を実現した。天候不順や国内調整で厳しい経営環境にも関わらず、これだけの実績を作られたことに心から敬意を表したい。今年度も引き続き成果を挙げて、地域農業振興のために貢献できることを強く願っている。

また、この輸出事業に一貫して注目し続け報道してくれる新聞やテレビ、経済紙など地元の各報道機関にも心から感謝したい。主に報道を通じて農業生産者にこの事実が伝わるからである。
                                                
地方発の元気が出る明るい話題を提供し続けていくのが「ニッポンを売る!」の信念だ。

博多どんたくのオープンマインド

3日と4日に、福岡市では「博多どんたく港まつり」が行われた。

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ゴールデンウィーク期間中、弘前の桜まつりと並んで約200万人の人出を記録する日本一のイベントである。

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今年も大勢の観客でごった返した

この人出の数値について関係者の人に聞いた話だが、結構意外な算出法みたいだ。もちろんここでは言えない。

博多どんたくは820年の歴史を持つ民俗行事を起源としているそうだが、今のような港祭りに発展してからもすでに45回目を数える歴史ある祭りだ。

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同じく全国的に有名な夏祭りである博多山笠が、限られた町内の格式と規律によって統制される地域伝統行事であるのに対して、博多どんたくは市民総参加型のオープンマインドの開放的なイベントである。

だから時代の変化に従って参加者も多種多様となり、現在のようにアジアとのゲートウェイとしての福岡・博多を反映して、どんたくパレードに参加する外国人も年々増えている。

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今年も大勢の外国人居住者や参加のために来日したアジアの人たちがパレードに参加した。観るのと参加するのでは感じ方がが大違いだというから、参加した人たちはきっと感激したに違いない。外国人の福岡ファンが着実に増えることだろう。

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姉妹都市の広州市からもパレードに参加

おりしも中国もまた5月の第一週は、メーデーのゴールデンウィークとして一週間の連休になっているので、数年後には大勢の中国人観光客で賑わうはずだ。

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今年は特に2016年夏季オリンピックの候補地に福岡市も名乗りを上げていて、なお一層海外へのアピールを強めている。

また、どんたく直前には、台湾から観光誘致のために関係者が来日し、福岡市の繁華街でGW直前の観光宣伝活動を行なった。

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双方向のアジア交流が活発化し、地方も活気が出てきたように思う。