クアラルンプルの街を散策してみると、
あちこちで国旗を掲げている家や商店が多いから
なんてマレーシアの国民は愛国的なんだろうと感心していたら、
8月31日は、マレーシアの独立記念日だということを後で知った。
この日の晩の午前零時には、
大規模なカウントダウン・イベントがあるから
付近は混乱するので絶対に外出しないで欲しいと
駐在の方から注意を受けた。
何事も絶対にダメ、絶対に出来ない、と言われれば、なおさらやりたくなるのがヘソ曲がりな私の信条。
「わずか数度訪問した国で、年に一度の大イベントがあるというのに、これを体験しないなんて・・・。」
噴き上がる衝動を抑えられるはずもない。
30日の夕方ごろから、
ツインタワーの前の噴水のあるとても美しい公園(KLCC PARK)に、次第に人が集まってきた。
カウントダウンは深夜だというのに、夕方4時過ぎにはもうこんなに人が集まっている。
完全に暗くならないうちに、もう広大な公園内は集まってきた人たちで身動きが取れなくなっていた。
若い人を中心に、カップル、家族連れ、ヤンキーな少年少女たち…
年配者が少ないから、何か形容できないような強烈な熱気を感じる。
日本の建国記念日のように律儀な年配者ばかりが参加する式典とは大違いだ。
そのうち気が付くと、すでに群集の流れの渦に身をゆだねており、もう自分の意思では方向を決めて歩けない。
マズイッ!危険だッ。
今になって、駐在の方の忠告を守っておけばよかったと後悔した。
ほんの少しだけ…。
手荷物も財布もカメラもどうなるか分からないし、
何かパニックでも起こったら、間違いなく怪我人が出るだろうと予感したので、流れに乗りながら少しずつ出口を見つけ、這(は)うようにしてやっとのことで外に出ることが出来た。
ホッとした!命拾いした。
これが最初の感覚だった。
これで世紀のカウントダウンの瞬間も見られないのかと諦めかけたのだが、今回はとてもラッキーだったのである。
それは今回の宿泊ホテルが、ツインタワーの隣にそびえる
マンダリン・オリエンタルホテルだったからだ。
クアラルンプルでもトップクラスのこの高級ホテルは
外出するよりホテルの各施設を利用していた方がずっと居心地が良いほど、素晴らしいサービスを提供するホテルだ。
この体験を記述するだけでブログ記事が書けるほど感動したのだが、それはまた別の機会にするとしよう。
実は、親しくなったフロントの中国系の女性マネージャーに事情を話したら、
それならばと、会員制の屋外プールのラウンジに特別に案内してくれて、なんとカウントダウンの会場が一望できる信じられない特等席に腰をすえることが出来たのだ。
ここには一年前から予約しているような国内外のVIPの富豪家族ばかりが来ていて、なんともセレブな雰囲気に包まれている。
そして、階下に広がるカウントダウン会場を見下ろすと
なんと数万人などではない、
おびただしい数の大群衆が会場をぎっしりと埋め尽くしているではないか・・・。
(続く)
田中 豊
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このまま群集の中で潰されてしまうのではないかと心配しましたが無事脱出できてほっとしました。゚\(^◇^*)
新聞読みました。さすがですね。着実に一歩ずつ歩んできてるんですね。すばらしい!それに引き換え私は、毎日同じことの繰り返しばかりで、気がつく時間だけが経ってしまってるんですね。進歩どころか後退してる感じです。(ノ_<。)
小梅さん、コメントありがとうございます。
毎日、ブログ拝見しています。
後退とおっしゃいますが、日々の奮闘、努力、克己に本当に頭が下がります。この蓄積が臨界点に達するもうすぐそこで「ドカン」とすごいことが起こりますよ。
一緒に頑張りましょう!!
マンダリン 3ml
印象的なブログですね。またきます。