TVスター(その2)

         
(前回より続く)
       

朝に少々弱いらしい知事だが、
カメラが廻りだすと途端に人が変わったようにテンションが上がる。

   

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これには僕もビックリ。
      

さすがのプロ根性。

    
   
通訳を通しての軽快なやり取りをしてから、
いよいよ知事のメッセージタイム。

    
    
今回は、昨年6月に就航したエバー航空による宮崎―台北直行便の宣伝と宮崎県の観光プロモーション、そして宮崎経済連・JAこばやしの自信作  ブランドメロン「めろめろメロン」の宣伝なのだ。

      
      

めろめろメロンは知事の命名によるもので、センサーにより糖度14度以上を保証し、外観にも優れた高級網目メロンである。
      

   
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「宮崎の生産者が丹精に心を込めて栽培し、まるで子供を育てるようにして大切に作ったメロンをぜひご賞味くださいッ!!」

と知事の生産者への想いが込められた素晴らしいメッセージだった。

   

      

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台湾の視聴者の心にもきっと響くに違いない。

    

     
さらにギャグあり、笑いあり、強いメッセージありの約45分間の収録だった。

     

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一発オーケー。

    

    

さすがだ。

     

台湾のテレビマンたちもうなずいていた。

     

    

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僕も一部通訳をさせてもらったのだが、本当に翻訳しやすいメッセージである。

       

聡明な証拠。なぜかこの日は感心しっぱなし。

    

    
   
予定通り、スケジュールを終えてスタジオを後にされた。

      

    
この舞台裏にも、県庁PR課の皆さん、台湾側関係者の周到な事前準備があったからであることは言うまでも無い。

        

TVスター(その1)

      
こは台北市内のとあるテレビ局。

  

早朝からなぜか緊張感が漂う。
   

現地のスタッフの動きが慌しい。
     

     
ほどなくマイクロバスが滑り込んできて、ひとりの細身の人物が降りてきた。
       

    
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そう、あの東国原英夫宮崎県知事である。

    

    
   
とても礼儀正しく、周囲に気を配った物腰で、
どこの知事とも変わらない(!?)

   
       

        

足早にスタジオに入ると取材の地元台湾の新聞記者が待ち構える。

    

   
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短時間のうちに、とにかく次々と取材をこなす知事

    
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宮崎プロモーション用の衣装に着替えながら、慣れた様子で淡々と質問に答える。

   

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いつもの地域応援のための戦闘服を着て、いざ・・・

         

       
    
いつもは台湾のスターだって慣れたものさと思っているテレビ局のスタッフも心なしか緊張している様子。

一方、東国原知事はいたって平静。

     
なんてったってキャリアが違うはず。

      

こんな気分の地域プロモーション活動は、僕にだって初めて。

   
こっちの方が眼を白黒・・・。

    

              
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ほどなく、女性プロデューサーらしき人の五本の指が高く挙げられ

      

ファーイブ!  フォー  **(無言)  **     Q~ッ 

    
         

収録開始のキューサインが出た。

     

    
司会の馬さんが、番組の前振りを語る。

    

    
台湾でも有名な司会者。

    

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左が司会の馬さん    軽快な語り口が印象的

     

        
馬さんから宮崎県の魅力を存分に紹介している。

     

よく頭に入っているもんだ。

     

      

まもなく、

今日は、な、な、なんと
日本の宮崎県から特別ゲストをお招きしていますッ。
       

      
     
台湾でも東東(トントン)の愛称で皆さんもよくご存知の
宮崎県知事・東国原英夫さんで~す。

    
    
チジィ~っ どうぞッ。
    
      

画面の外から知事が軽快に入って来て、
いきなりカメラを背にして壁に向かって深々と丁寧にお辞儀をする・・・。

    
   

反対でしょ、反対ッ!

       

馬さんが慌てて突っ込みをいれる。

       

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いきなりのギャグである。

     

     
スタジオ中、ドッと爆笑の渦。

       

   
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とてもテンポよく収録はすすんでいく・・・

      

     
      
さすが我ら日本の東国原知事!

海外でも多くの人たちの心をとらえにかかった。

        

     

もう、つかみは成功してる・・・。

                                   (次回に続く)
     

遠くて近い国へ(その6)

(先々々回より続く)

    
今年は日系移民100周年にあたり数多くの記念行事がサンパウロでも行なわれている。

   
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サンパウロ・大阪橋付近
   

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私が訪ねた期間も、ちょうど沖縄から大勢の団体がブラジルを訪れ、交流事業を行なっていた。移民の皆さんの出身地は、県別では沖縄県がもっとも多いことからその熱意が伺われた。
   

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その日の夜、在伯日本商工会議所(伯とはブラジルの意味:昔は漢字で伯剌西爾と表記していた)の会頭、日系県人会会長をはじめ多くの日系人のリーダーの皆さんと交流する機会があったのである。

       

本当に親しく面談していただいたが、二世、三世としての生い立ち、先祖先達の苦労や日本に対する想いを存分に伺った。そして感動した。

   
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会長さんのお話に本当に感動し、涙した

   

県人会会長さんの話によれば、当時はもちろん苦労も多く、最も困ったのは異国の地での様々な病気に医者が不足していたこと
      
そこで日系人は医者を育てることをはじめ、教育に力を入れそうである。医学だけではなく、本業の農業技術や土木・建築なども熱心に子弟に学ばせ、これを日系人だけでなく、ブラジル社会に還元させ、広く深く貢献したのである。

    

   
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東洋人街の医院  ※本文とは直接関係ありません

    

それは今でも農業という事業を通じてサンパウロ郊外に深く根付いていて、大勢のブラジル人から敬意と感謝の念を持たれていて、その結果、親日的感情がとても強い

       
僕自身も各地で何度も体験済みである。
  

  
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実に多様な人種が共存する国 -Brazil

   
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友誼の情は大切だよね

   

    

どちらかと言うと、流通や商売に熱心で結束強い中国人や韓国人との決定的な違いがここにあり、日本人街が少ない所以でもありそうだ。
   

   
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チャイナタウンやコリアンタウンは最近海外でもよく見かけるが、リトルトーキョーがとても少ないことにかねがね寂しい思いをしていたが、今回、その理由と真意がハッキリして、却って嬉しい気持ちにもなった。
    

    
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尊敬します 日系の皆さん!

     

僕はこのお話を時系列にスケール大きく滔滔と聞かせていただき、感動し心から涙した。

   
   
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この時ほど僕は日本人に生まれて良かったと誇りに思ったことはない。 

    

アジア各地では反日的感情の発露に寂しい思いをすることがたまにあるが、ここブラジルではまったく逆である。

   
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どこから見ても日本人同士なのに、言葉はポルトガル語だ。不思議!

    

日系移民先達の苦労と貢献のおかげで、後の世代の我々にどれだけの良好な環境をもたらしてくれたであろうか。

    

   
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ニッケイ新聞 !?

  
   

それにしても現代においても、日本人の農業技術における貢献は素晴らしいものがある

     

この点でも、日本国内で餃子問題のアンチテーゼとして感情的に唱えられている内向きの自給論議だけでなく、世界に日本の素晴らしい農業技術を広めることこそ、わが国の戦略にも適うし、自然条件の異なる環境での研究、向上のためにも必要な事ではなかろうか。

    
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ブラジルでは一体何杯のコーヒーを飲んだだろうか?
100年前、コーヒー園の契約労働者として入植した
移民の皆さんの苦労に思いを馳せる

    
     

今回面識を得た日系の皆さん方の異文化を受け入れ共存し、日本の文化や技術の伝播を惜しまないスケールの大きさ、そして底抜けに明るいポジティブ指向など考えさせられることの多い大きな収穫を得た。

      

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日本はこういうイメージ?
   
   
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手作りドリンクとっても美味しかったよ。ご馳走さまッ!

    
    

          

ブラジルはまさに「遠くて近い国」なのであった。
                             
                             (シリーズ終わり)

      

   
※今回、南米訪問の機会を与えて頂いた、創立50周年の社団法人
福岡貿易会
に対し、この場を借りて心から厚くお礼申し上げます。

      

   
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    Obrigado !!    ありがとう!ブラジルの皆さん

   

政治も動き出した

   
先月、東京永田町の自民党本部で開かれた
日本の活力創造特命委員会」で講演させていただいた。

   
   
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同委員会は、今年4月に発足したもので谷垣禎一政調会長を委員長、根本匠議員を座長として、自民党政策通の衆参両議院40名から構成されている。

    

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メンバーには、園田博之(委員長代理)、御法川信英(事務局長)、石原伸晃、山口俊一、加納時男(以上常任幹事)ほか、石原宏高、岩屋毅、木原誠二、山内康一、佐藤ゆかり、佐藤正久、岸信夫代議士などが名を連ねている。

     

一昨年、クアラルンプルとシンガポールでの日本産農産物常設店舗オープンセレモニーでご一緒した、宮腰光寛農水省副大臣(当時)も特命委員会幹事である。

     

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シンガポールでの式典で挨拶する宮腰農水省副大臣(当時)

         

       

Dsc_0586_2 この特命委員会は、昨今の内需停滞、外需不安定の中、経済が踊り場状態に陥っているとし、これから脱するために眠っている力を活かし、これまで捉え切れていない「新時代のニーズ」をつかむために固定観念にとらわれず処方箋を議論し、それに応じた政策パッケージを検討するという主旨で発足し、骨太方針2008に提言を反映させるという重責を担う委員会である。

   

その「新時代のニーズ」とは

  
①先進環境技術

  
②農業とサービス業に関する海外需要 
  (特にアジアの成長力を取り込む)

   
③新世代資源戦略 

    
④国民の安全・安心や健康のための新技術

    
の四分野が議論されることになったのである。
    

   
私はこの会合で、日本産農林水産物の海外輸出と農商工連携の展望について紹介・解説させていただいた。

   
   
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左一が谷垣委員長、左二が根本座長、右一が御法川事務局長

     

       

国会議員、中央官庁担当官、秘書の皆さんの前で講演をするのはもちろん初めてだから少々緊張したが、終始熱心に耳を傾けていただいて、ついつい熱がこもってしまった。

   
    

驚いたのは、会議の開始のセレモニーだ。

   

僕は政治家の会議だから、冒頭はいろいろ挨拶や背景説明など能書きが多いのだろうとのんびり構えていたら、

       
なんと

「皆さん、ご苦労様です。さっそく特命委員会を始めます。今日のゲストはニッポンを売る!さん(仮称)です。経歴はお手元の資料にあるとおり。それではニッポンを売る!さん、お願いします。」

     
と根本座長より、ものの10秒もしないうちにマイクを渡されてビックリした。

   
  

これは参考になる。会議はこうでなくちゃ、と後でそう思った。

      

日本企業の会議はその多くが無駄が多い。開会や閉会の挨拶なんて要らない。   
     

選挙演説か結婚式スピーチでしか知らなかった政治家の意外な一面に触れた。

     

     
また、講演後は、次々と質問が飛んでくる。
   

「うちの選挙区でも海外輸出をしているが、生産者の収入増には結びついていないのは何故なのか?」

    

「さらに輸出を伸ばすために、政治セクターは何をすればよいのか、もっと提言して欲しい」

   

「輸出するためには人材育成も必要。そのような組織を作ってはどうか?」

     

一時は私もタジタジとなる場面も。

   

やっぱり会議はこうでなくちゃ!

    
普通会議では質問をぶつけてこない。

時間ばかりかけて何をしているのか解らないものが結構多い。

    
  

常に選挙区で生産者や市民から具体的な政策提言を求められる国会議員の現実に触れた。   

  

    
この日の会合で一番勉強になったのは、ほかでもない、この私である。

        

          *              *  

         

その後、各領域の一線級専門家による会合を8回重ね、この6月5日に「日本の活力創造総合戦略」として中間報告が承認されたという。

   
   

この中で、農林水産物の輸出額を現在の2倍強の1兆円に拡大させる政府目標を後押しすることが新たに盛り込まれ、6月下旬に策定される骨太の方針」に反映させるよう政府に働き掛けられることになったのだそうだ。

   

また、コメの需要拡大についても、この特命委員会の提言から農政が動き出しているようである。

    

ほんとうに心強いことだ。

   

   

詳しくは、それぞれのHPを参照されたい。

  
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200805280066a.nwc
(自民特命委、成長戦略で中間報告 環境技術・日本ブランドなど柱)

        
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin4/article.php?storyid=391
(日本農業新聞)

       
http://www.t-nemoto.com/gallery/0805082.shtml
(根本匠TheWeb)
   

http://hirotaka-ishihara.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_23d8_1.html
(石原ひろたかのブログ)

     

       

私が農水産物輸出のサポートをひっそりと始めた8年前のことが信じられない感覚である。
    

政治セクターが国家戦略としてこれを全面支援する時代がやってくるなんて・・・。

      

とはいえ、現実は今でも厳しい。そして今後も甘くは無いだろう。

     

しかし、未来の日本を切り開くテーマのひとつに挙げられた「ニッポンを売る!」も全力を尽くして難局にぶつかっていこうと、いま決意を新たにしている。

      

トップセールス in Taiwan

(先回から続く)
   
広い会場がどよめき、十数台はあるテレビカメラが一斉に一点にフォーカスを始める。

    

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スポットライトを浴びたその「」は、どよめく会場の緊張感を和らげるようにおとぼけの姿勢で舞台に上がる。

   
   

皆さあ~ん、こんにちはッ、ニイハオ~ッ!

   

そう、トンクオユアン先生(東国原英夫宮崎県知事)の登場だ。
   

   
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会場はどっとざわめく。

   

  ここは日本だったっけ???

       

日本人も大勢いることはいるが、台湾の人たちのほうが圧倒的に多いにもかかわらずこの反響とは。

    

聞けば、知事がかつてそんまんま東と名乗っていた頃、台湾でも「東東(トントン)」の愛称で親しまれており、4~50代の人には結構知られているそうなのだ。

  
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ステージでの反応が予想より凄かったせいか、知事のスピーチもやや早口で、もしかして少々緊張気味?

   

前方の台湾の親子連れが興奮してしばらくハシャいでいるためか、
「なかなか話し辛いですねえ~」と間をおくところはさすが。

   
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会場が落ち着いてからは、ご自慢の宮崎の観光と物産のPR。

     

いつもテレビで聞き慣れている滑舌の良い高めの声のトーンで、とても聞きやすい。

   
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宮崎県と今回物産展を開催している百貨店との長年の付き合いの歴史にも触れ、台湾の消費者の気持ちもグッとつかんでいるようだ。
   

いいぞ、いいぞッ! その調子。

    
そのあと、地下食品売り場での宮崎物産展の開幕式典に場所を移す。

     

これまたおどけて壇上に上がるが、勢い余って、合図の前に腕が紐に触れてクス玉がとんでもないタイミングで割れてしまい会場は大爆笑

   

    
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東国原知事ならこれも大きなプラスポイント。
   

      

   
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タイペイでも大盛り上がりで “ア、ハプニンGoo~ッ” 大爆笑

    

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お得意の口アングリポーズで、宮崎特産の「日向夏」を宣伝

     

式典の後、物産展会場を廻るも、予想をはるかに超えて積極的な台湾のテレビカメラに取り囲まれ、視察することができず引き返す一幕も。

   
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とにかくフロア中は大騒ぎ。

   
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もみくちゃにされて大変

     

日本より凄いんじゃないないのだろうか、と思ってしまうほどのフィーバー振りだ。

   
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それでも宮崎からの販促応援部隊にねぎらいの言葉をかける知事

   

もちろんここタイペイでも分刻みのスケジュール。

   

あっと言う間に会場を後にする。

   
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ココやがハッピ」もちゃんとお召しだ

     

台風一過といいたいところだが、物産展会場はその後も閉店まで途切れることなく多くの買い物客でごった返すのだった・・・。

   
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さっそく観光コーナーでも若い女性たちが次々とパチリ…

   
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取材の嵐・・・  台湾全土に繰り返し繰り返しオンエアされる
   

   
この日も新聞、テレビ、雑誌の報道陣が地元台湾、そして日本から大挙してやって来た。

   

   
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地元台湾のテレビ局が5社も

   

この私にも日本のテレビ局2社、新聞社、そして台湾のテレビが3社、新聞社3社からインタビューを受けた

   
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この日の模様は、日本からのテレビクルーにも取材していただいた

   

     
いつもながら、地元台湾のTV局のカメラが廻っている前で、中国語でのインタビューは緊張しまくってちっとも慣れることが無い。

 
オンエアされたニュース映像を見て、いつも赤面する。台湾中、日本中に恥をさらしている。
    

それでも必死で売り込み支援のために日本の魅力をアピールしているつもりだけれど。

 

      

東旋風は、海を渡ったここ台湾でも吹き荒れた。

   

恐るべし、ニッポンMIYAZAKI !!

                            
                             (次回に続く)
     

結ぶ・つなぐ

(先回から続く)
   
いつもと違う、そんな台北の街の一角で、なぜか聴き覚えのあるリズミカルな和太鼓の音。
   

日曜日の昼下がり、大勢の群集が食い入るように舞台を見つめている。

   
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見ればなんと、宮崎・響座の皆さんではないかッ!

    
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心に響く音色だけでなく、その力強い動的パフォーマンスは、海外の人たちにも全く同じように感動が伝わっている事が判る。

   
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なぜか僕自身が日本の誇りを感じる瞬間でもある。
      

ばちさばきが一瞬止まるたびに大きな拍手が沸き上がるではないか。
    

  
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もしかしたら、この台湾の人たちの方がホンモノ日本文化の素晴らしさや価値を認識しているんではないかとさえ思ってしまった。

    

演出の中心は株式会社響の岩切社長だ。

  
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岩切さんの熱演

     

地域資源活用プログラムで日頃、同社にお手伝いをしていることもあって、まさか台湾で岩切社長の演技を拝見できるとは信じられない。

      
   
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誰もが眼にした事があるこの知事イラストの生みの親・・・

    

台北一帯の空気が響座の太鼓によって、まるで目に見えるかのように躍動している。

  
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和太鼓のパフォーマンスと同様、岩切社長のビジネスずば抜けたスピード感と際立つセンスが特長だ。

  
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今年1月、福岡で行われた地域資源活用ビジネスマッチング事業で
見事なプレゼンを披露する岩切社長

       

万来の客席からの長い拍手のあと、
    

司会者が

本日のもうおひとりの大切なお客様の登場です! 

      
とのアナウンスに、会場はさらに大きくどよめき始めた・・・

                                   
                                  (次回に続く)

       

旬の力 地元の力(その2)

    
(前回より続く)
     
アージエが指定した時刻に出向くと
青果物のコーナーには熟れたパイナップルが山のように積まれている。

   
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しばらくすると、アージエがナタのような形をした包丁を持ってやって来た。
   

来てくれたんですねッ!

  
   
昨日とはすっかり変わって、自信に満ち溢れている柔らかな表情で迎えてくれた。
   

全身からオーラを発している。
      

隣にアシスタントの女の子を立たせると、
アージエはおもむろに大きなパイナップルを左手でわしづかみにして、
ナタのような包丁でばっさりと葉の部分を切り落とす。
   

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ヒョイと放り投げて上下を反対にすると今度はお尻の部分をスパッとカットする。

   

すると始めの一刀だけは慎重にナイフを立てにゆっくり入れて
皮を剥ぎ取るように一太刀入れたが早いか、
あとは一気に横にずらしてザクッ、ザクッと皮を剥いていく。

   
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あの縦長のパインの皮を一太刀で縦に剥いていくのだ。
   

ザクッ、ザクッ、

         
ちょうど半分皮を剥き終わったところで
傍らの女の子からビニール袋を受け取ると
皮を剥いてまっ黄色の果肉がむき出しになったところをビニール越しにつかんで残り半分の皮を剥く。
   

ザクッ、ザクッ、ザクッ、

   

ツルンと剥けたかのように円筒形のあのパインが出来上がり
そのビニールを表裏ひっくり返してそのまま袋詰め。
 

    

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動画でアップできればいいのになあ

             

なんとその間、十数秒!

    
これは職人技だ。

   
   
その後も次々とパイナップルの皮を瞬時に剥いていく。
   

ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、

   

連続で10個くらいを休むことなく剥き終わった。
   

さあ、食べてくださいな。

    

アシスタントの女の子が試食用に細かく切ってくれる。
   
   
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アレッ?? いつも繰り抜いている中央の芯の部分も一緒に??
   
そう、芯が硬くないのだ。不思議不思議。

   
 

一口大のパインを待ちに待っていた口の中に放り込む。

   
   
う、う、う、うまいっ!

   

もちろん甘いし、果汁が口いっぱいに広がるんだけれど
これまで食べたことのないクリーミーな甘さなのだ。

    

    
わざとらしい甘さでなく、ねっとりとしていて、それでいて喉を潤すような・・・。

   
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ホテルの部屋でも止めどなく頬張った

         

なんだか高級アイスクリームでも食べているような感覚なのだ。

   

      
しかも、いつも生パインを食べる時悩ましい、あの歯の間に挟まる繊維質が全く無い。

   
    
もう我を忘れていくつ食べたか分からないほど頬張った。

   

     
自慢する訳だ。本当に美味しい。
  
何年も待った甲斐があった。

   

旬の力、地元の力に屈服した。

   

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次々と売れていくから、頻繁に補充しなければならないほど

    

アージエのパイン皮の早剥きも数年間の訓練の賜物だそうだ。

      

今年、日本に実演に行く計画だそうである。

   
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実演が始まるとあっという間に人だかりが

     
 

日本のどこかでこの味とアージエの技が堪能できるのだ。

   

台北で日本産のイチゴやメロンが、そして
日本で台湾産のパインやマンゴーが味わえる。

    

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とかく日本の農業者やマスコミは海外の農業を敵視するが
アジアの農業者、生産者も同じ素晴らしい人間。

         

敵対するのではなく、むしろ連帯して、
世界に、アジアに蔓延しているマネー経済の弊害、食の乱れを正していく原動力になるべき
であるという私の持論を再確認することになった。

           
   

旬の力・地元の力(その1)

   

台湾一、だから世界一のパイナップルを食べさせてあげるからねッ!

    

台北の友人がもう何年も前から会うたびに同じことを繰り返していた。
    

しかし、その話は旬の季節が限定されていて、タイミングが合わない時ばかりだから、「今度は、今度は」「信じられないような旨さなのに・・・」とずっとじらされていた。
     

好意で言ってくれているのか、それとも自慢話かホラ話?

しつこく言うわりには、どうせ機会はないさと大げさに言ってるだけなんじゃないの?ぐらいに気にもかけずにいた。

    
   

そして待ったが10年目。

台北の街でいよいよシーズン到来!というジャストタイミングに、僕はちょうど居合わせることになった。

   

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ポップには台湾最高級品と謳われている

「旺来」とは台湾語で、鳳梨と発音が似ていて縁起の良い言い方なのだそうだ。

   
   

そんなに旨いと言うんだったら、食べてやろーじゃねえか。

たかがパインぐらいでッ。

    

確かに店のあちこちで「金鑽鳳梨」とか「関廟鳳梨」というポップが目に付く。ブランド名なのだろうか。

  

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果実店はもとより、高級食品店でも、スーパーでも卸売市場の場外市場でも。

   
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ここではパインの個数を「ひと粒」と数えている。面白いナ。
ちゃんと皮をむいてあるほうが安いんだネ、おじさん!

   
       
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「チョー甘い」と宣伝してるゾ

    

軽トラックでの移動販売まで現れた・・・。

  
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それでも僕にとっては、たかがパイン
     
   
パイナップルと正式に呼べるほどの代物でもない。

彼に会うまでは・・・。

    
   

その彼というのは南部・屏東県出身で、みんなから親しみを込めて「アージエ(阿傑)」を呼ばれるがっしりした体格の青年。
    

屏東でパイン生産に従事している若者だ。
   

夕方紹介され、一緒に卓を囲んだ。

  
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誠実でナイスガイ。決して多弁ではないが、日々の頑張りが真っ黒に日焼けした全身からオーラを発しているヤツで、いっぺんで大好きになり、酔いも手伝ってとても親しくなった。

   
最近、日本の農業現場で頑張ってる青年生産者に対して抱く親近感や友情と全くおなじ

     
   
無口なくせにパインのことを話し出すととても熱い。

いろいろ面白い話を紹介してくれた。

  
   
   
パインって、生で食べる以外に美味しい食べ方って無いでしょ?

と、意地悪な質問をしたら、

     

    

アージエは得意げに

パイナップルの漬物を知らないでしょ??

甘くは無いんだよ。
しょっぱさがたまらないんだ。 

これを丸鳥の中に詰めてスープで煮たら最高に美味しいんだから!

     

確かにこいつは説得力ありそうだ。パパイヤだってそうだもの。

いつか食してみたい。屏東まで行かなくちゃ。
   

    
パイナップルとアージエの人柄が重なった。
     

      
   

明日午後2時に売り場に来てくださいよ。

実演やりますから

   
   

試食販売じゃなくて実演? 何のことか良く判らなかったが、 

必ず行くからね。楽しみにしているよッ!

 と、応える僕。
   
 

アージエと固く約束を交わした。

                           (次回に続く)

  
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ドンドン売れていく
  
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ドンドン買っていく
  
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ドンドン運び込まれてくる

    

元気宮崎に師匠現る

   
のこのブログの産みの親、そして育ての親であるやまけんこと山本謙治氏が宮崎を訪れ、農業経営戦略セミナーで講演をされた。

   
    
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会場は大勢の聴講者で満員  鹿児島から駆けつける人がいたほど

       

足掛け3年にわたる出演交渉の末、ようやく実現したのだ。

     
いま“やまけん”は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などありとあらゆるメディアから引っ張りだこで大忙しの身。

    
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地方の生産者たちこそ、いち早く食の乱れを正し、
伝統食の素晴らしさを自ら発信することの大切さを熱っぽく訴える

       

あるべき食の姿」を農産物流通を通して訴え、地方の活性化や環境問題に至るまで、多くの国民の幅広い共感を集めている若きコンサルタントである。

     

私も、昨年から地域資源を活用した農林水産物の発掘支援を行う政府機関のプロジェクトマネージャーの仕事でまさに農産物流通の現場に立っているだけに、久しぶりの再会は刺激的なものとなった。

      
この日の出来事をこれ以上多く語る必要はなかろう。
   

ぜひ人気日本一のブログで参照して頂きたい。

http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2008/02/post_1117.html
(やまけんの出張食い倒れ日記 2008年2月6日記事)

    
ただでさえ、熱く燃える宮崎の若き農業法人経営者たちの中でやまけん節が炸裂したのだから、この夜どんなことになったのか想像してみてくれたまえ…

    
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常に前向きな人たちの会話は刺激的。

     
やまけんも「宮崎は気温も熱いけど、皆さんの気持ちが熱いのにもっと驚いた」と再会を誓い合った。

      

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やまけんブログの素晴らしい画像には新たな秘密兵器が・・・

     

夕焼けと大志

                     
表的な秋果実のひとつであるが旬の季節を迎えている。

   
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もちろん僕も大好物で、つい食べ過ぎて時々お腹が張ってしまうほどだ。

        
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福岡は甘柿の生産では日本一の県であるが、
その主な産地のひとつでもあるJAにじの柿部会青年部の勉強会に参加させて頂いた。
      

農業をめぐる様々な可能性について議論したのだが、とにかく熱心。
     
そと者、よそ者の私の話を真剣に聞いてくれるし、
質疑応答には、とにかく次々を手を挙げて訊いて来る。
     
自分の主張も意見もはっきりと述べてくれる。
    

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第一、考え方がみな前向き、建設的、専門的なのである。
     

技術革新、販路開拓、観光や地域との連携、海外市場視察など、自分たちでドンドン行動しているのだ。
    
女性のJA職員も組合員も元気一杯で目がキラキラしている。

      

今でも柿の生産は、決して恵まれた経営環境ではないけれど
この人たちなら何かやってくれるかもしれない、と思わせる頼もしい存在として私の心に映った。

      
       
国内有数の規模と近代性を備えた柿の選果場も見学。

       
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最新鋭の設備で、選別や検品、包装、出荷まで一貫した作業が大規模に効率よく進められている。
   

ロボットも活躍していてビックリ。

    
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この日も全国に向けて発送されていた

      
    
施設見学の後は、最近お目見えした新顔の柿「太秋」とのご対面だ。

      
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昨シーズンに初めて味わい、ひっくり返るほど美味しくてビックリした。
       
その深い甘みと共に、なんか別の果物でも食べているようなサクッとした食感が、柿とは思えない新鮮な感覚に襲われる。

    
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直販所でも最近は指名買いの顧客も増えている
      
   

これだけは食べんとわからんよお~ッ。
(食べてみなければ判りませんヨ!)

       
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これが太秋の食べ頃の色合いなのだが・・・
      

大玉でずっしりとした存在感なのだが、果皮は決して鮮やかなオレンジ色ではないので、見た目で損をしているけれど、とにかく味わうべし!

     
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このアバタ(条紋)こそ、じつは美味しさの証し
        

柿が苦手な人でもスイーツ感覚で食べられると思う。
     
     

青年の志(こころざし)、施設の先駆性、新種の味わいに3度の驚きを体験して、深い充実感に浸りながらふと西の空を見上げたら、一面真っ赤な夕陽に染まっているではないか。

    
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柿と同じ、青年たちの情熱とまったく同じ、大地を照らす太陽の輝きがそこにあった。

     

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