青年は宝

福岡県青年農業士会の研究会で講演させていただいた。

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(会場の博多サンヒルズホテル)

青年農業者の皆さん達との交流は、これで2度目だが、とりわけ楽しみにしている。いつも感じるのだが、農業を志す若い青年や女性は、地域にとって、そして国家にとってもかけがえのない財産である。

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(壇上で挨拶する農業士会幹部)

講演では福岡県が農産物の輸出に力を入れている経緯や実績、そして未知の事業に挑戦する人たちの姿を青年達に紹介した。

ただ、壇上から見ていると、後ろの方で数人居眠りしている人が目に付いた。
他地域の高齢者が多い会場では、ほとんど居眠りする人はいないのだが…。
年配者のほうが向上心や探求心が強いからだろうか。それとも、私の話の内容に、若い人は魅力を感じないからなのか・・・。

しかし、後半から終盤になるにつけ、全員が身を乗り出して聞いてくれた。

一時間半の講演にもつい力が入り、声がかすれてしまう。

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講演後の意見交換の時間にも、積極的な反応が返ってきた。
質問が途切れないのだ。これは、他の会場では滅多にないこと。
講演者としては、とても嬉しいことだ。

また、研修後の懇親会では、個別に面談できて有意義だった。

次の予定があるので、30分で退席する予定が、青年達が次々に語りかけてくれて、ついに1時間半も会場から離れられなかった。

蘭の苗を、人任せにせずに自分で台湾から買い付けて、すでに海外と信頼関係を築いている人。

韓国と行き来するほどのネットワークを持っている人。

スモモやナスを差別化し、商品開発に挑戦している人。

イチゴのあまおうをもっと積極的に展開しようと企画を練っている人。

作っている作物や地域は違えども、皆、熱い想いは同じだ。
目が生き生きしている。

ひときわ声が大きく、私に喰らいついてきそうなひとりの青年は、
5年後に1億円の売り上げを目指して頑張っている夢を語ってくれた。
彼はソフト業界からの転身組だ。

彼の農業に対する先見の明は、近い将来必ず開花する、と私は断言した。

彼らが主役となり農業を担う数年後には、日本の農業事情もすっかり変わっていることだろう。

今は、とても辛い時期。
しかし、文字通り、農林水産業が実りある産業に展開するかどうかは、すべてこの青年達の頑張りにかかっている

現場から変わる日本の農業

農林漁業金融公庫の筑後地区友の会の総会が八女市で開かれ、福岡県庁農政部の方と共に講演会に登壇させていただいた。

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農林公庫は、経営基盤の弱い農林水産業に対する融資を行なう機関で、これまで大きな役割を果たしてきたが、現在、政府系金融機関の再編問題の渦中にある。

福岡県の筑後地区は、四季を通じて多種多様な農産物を産出している。都市圏消費者に向けた商品開発や新技術の導入にも積極的な地域で、JAのレベルでは海外輸出に対しても日本でもトップクラスの取り組みを行っている

昨年来、全国的にも注目されている福岡産イチゴのあまおうの香港、台湾向けの輸出でも、この筑後地区のJAの積極的な挑戦によるところが大きい。

国内でもトップクラスの販売力を誇るJAふくおか八女は、昨年来、独自の輸出戦略に取り組み、貿易実務を行なう通関士の資格を持った職員も活躍している。スゴイ!
JA福岡大城は、平成4年ごろからエノキタケをいち早く香港に輸出し、一時、大ブームを呼び起こした。

また、この地域でキノコを生産販売する農業法人を経営する元気な女性達も総会に参加され、大いに意気投合し、農業の持つ可能性について語り合った。

会合では、野田八女市長とも懇談する機会を得、今後の様々な取り組みや同市の農業政策に対するビジョンについての熱い想いをうかがった。

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(スピーチする野田国義八女市長)

10月28日29日には、筑後市で第59回全国お茶まつり福岡大会が開催された。

茶葉の生産販売に関する資機材の展示や製品の即売などが大規模に行なわれ、大勢の人で賑わった。会場では、タレントの森口博子さんやアナウンサーの林田スマさん、地元名士によるトークショーも開かれ、日本の文化に根ざす茶の文化の再認識について語り合った。

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会場では、若い生産者や青年会による様々なイベントが特に印象的だった。彼らにこそ、海外の市場についても理解を深めてもらい、その企画力と行動力で世界に挑戦して欲しいと強く感じた。生産現場の青年、女性達こそ、ニッポンを売る原動力なのだ。

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(青年会のイベント企画には長蛇の列が)

海外を取り込むスピリット

佐賀県西部に位置する白石(しろいし)町にある杵島(きしま)農業改良普及センター主催の勉強会に参加させていただいた。

金木犀の香りがする駅を降り立つと、延々と刈り取った後の田んぼが広がる。

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ここは県の機構であるが、所長をはじめ、若い職員にいたるまでとても勉強熱心な皆さんだった。土地柄なのだろうか。情報交換の場では、次々と質問や意見が出され、予定時間を大幅に超えてしまった。

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(センター全景)

ここでは水稲以外に、タマネギは全国トップクラスの生産高を誇り、ほかにもアスパラガスやレンコン、花卉、イチゴなども栽培されているそうだ。

技術開発にも熱心なようで、閉会後、面白い生食用の葉野菜を紹介してもらった。一見なんでもないサラダ菜のように見えるが、よく見てみると表面に**が噴いているようなとてもユニークな形状だ。

こりゃすごいインパクトだ! しかも、葉を生で食してみると、なんと**味がするではないかッ! すごい! 話によると、何でもアフリカ原産の品種を改良したものらしい。

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(残念ながら、まだ公表できない)

現在開発中なので、実は詳しく紹介できない。ごめんなさい。量産できれば、近いうちに、杵島**や白石**というサラダ野菜が発売されることになるかもしれない。お楽しみに。

こんなインパクトある商品であれば、国内市場と同時に海外にも輸出してみたらどうだろうか、と考えてみた。「技術革新」「販路開拓」このふたつを自分たちの手で行えば、これはすごい自信と活性化が図れることだろう。

また、地域の女性グループが開発したという、地元産大豆を使用したテンペを紹介してくれた。テンペとは、インドネシアで食べられている大豆の発酵食品で、納豆そっくりである。

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(商品カタログより抜粋)

現地では油で揚げたりして食べられているが、日本の納豆と違うところは、粘り気がなく、あの特有の納豆臭さがない。大豆イソフラボンをはじめ栄養価も高いらしく、コレステロール値や血圧を下げる効果もあるということで、最近、健康食品として、日本でも食べられるようになった。

どっこい日本の女性生産者もやるではないか。
「日本商品は海外ではすぐにコピーされるから」などと屁理屈を言わずに、しっかりと海外の良いものを取り入れてアレンジして開発している。こうでなくちゃ。本場に逆輸出する事だってありうるかもしれないゾ。

白熱したやり取りを終え、とても心地よい疲れを感じて、白石の町を後にした。

独自色強める熊本の輸出アプローチ

熊本県の農産物輸出のアプローチは、
非常に特徴あるもので、とても興味深い。

くまもと農林水産物等輸出促進研究会(会長:吉川農園 吉川幸人社長)が昨年5月に設立されているが、
その構成員はすべて農業法人や企業であり、とてもユニークだ。

一般的に、農産物輸出に関する地方組織としては、
自治体が主導し、JA等農業団体、地場産品振興の外郭団体、商工団体などで構成されているのに対して、
本研究会では、今注目されている農業法人が主体となっている点だ。

(ちなみに熊本県には、別に農業団体等で構成される「熊本県農畜産物輸出促進協議会」が今年発足し、活動を展開している。)

同じ生産者でも
自らの手による販売・販路開拓というテーマに積極的に取り組んでいる組織だけに、輸出にも強い関心があり、新規事業に対するアレルギーも少ないようだ。

しかも、海外輸出というテーマに対して、
関心と「やる気」がある法人が、自ら参加している組織だから
初めから意識が高く、主体的な姿勢で取り組んでいるのである。

だから、発想も柔軟で、ユニークな活動が展開できる。

例えば、多くの県が、輸出対象地域を
上海、香港、台湾などのアジア近隣地域に集中しているが、
「研究会」では、独自性を貫き、
アメリカ西海岸を優先ターゲットにしている点などだ。

22日、ロサンジェルスから、
日系スーパーの社長とバイヤーを招き、
アメリカ向け農産関連商品のセミナーと商談会が開かれた。

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(会場となったグランメッセ熊本)

これまで、アジアでの販路開拓に携わってきた私にとって
アメリカ市場での食品事情は、とても新鮮で、大変参考になった。

セミナーではアメリカ最新事情について紹介があり、
日本のゴボウやナガイモが結構人気だということや
アメリカではBSEはあまり深刻に受け止められていないこと、
また輸入の際に、卵、乳製品、色素については注意が必要なことなど、興味深い話しが盛り沢山だった。

クチナシ色素を使っている日本のインスタントラーメンは輸入できないとか、
ヨモギ(蓬)や七味唐辛子のある成分は、麻薬に準ずるものとして輸入できないなど、
国が違えば事情も異なることがわかる。

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もちろん現地バイヤーから日本の農業法人に対するメッセージは、
人任せに売るのではなく、自ら現場に立って売り歩いてみること、
こだわり、高品質を謳う以上、直感的に差別性を訴えられる商品だけが現地の消費者に支持される
という指摘は、
アジア市場を攻める上でも共通の原則である。

セミナーの後、各メンバー法人から持ち寄られた商品を紹介する個別プレゼンが行われ、積極的な売込みを行った。

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自ら真剣に販路開拓に励む農業法人や食品企業の主体的な活動を
行政や団体がバックアップする熊本県のアプローチは非常に理に適った、
しかも地に足の着いた現実的・継続的な展開例だと思った。

今後の展開が楽しみだ。

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(個性ある農産加工食品が並ぶ)

農耕文化の窓口-糸島で考える

福岡県農業会議糸島支部で講演させて頂いた。

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(会場の伊都文化会館)

糸島は福岡市の西に隣接する山紫水明の豊かな土地で、
志摩町、二丈町、前原市からなり、
九州大学の移転に伴い、
ここ数年の発展が目覚しい地域である。

いまから約8000年前には人が住んでいたといわれ、
この一帯に「伊都国(いとこく)」と呼ばれる国が
1800年前に存在していたとが魏志倭人伝にも記載されている。

至る所に古墳があり、地名も万葉仮名のような読み方も残っていて、
考古学ファンのみならず、
遠い昔に思いをはせることが出来そうな土地だ。

会合では、糸島地域の農業、食品加工のリーダーに参加していただき
会議室は満席となった。

2時間の講演時間もあっという間に過ぎたと感じるほど
非常に熱心に聞いて頂いた。

糸島地域は、福岡商業圏を控えていることから
早くから付加価値の高い農水産物を栽培してきた。

蘭や菊などの花卉栽培は有名で、
沿岸の水産養殖業も多い。
最近では、イチゴの「あまおう」の主要産地のひとつでもある。

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(目を奪われる無数の蘭が栽培されている)

また、畜産業も盛んで、
「糸島牛」はブランド化されており、
鶏肉、鶏卵も九州では知名度が高い。
生卵は、香港向けに毎週数千パックがこの地域から輸出されている。

地元畜産農家が出資して事業展開している
高級ブランド牛乳「伊都物語」は、
福岡でもプレミアム商品として根強い支持を受けている。

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(生クリームのようなプレミアム牛乳「伊都物語」)

二丈町の「福ふくの里」は、一見どこにでもある農産品直売所、道の駅のようだが、実は、漁業関係と農業関係が対等に協力して事業展開しているユニークな直販所だ。

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どこにでもありそうだが、意外にこのような形態は珍しいそうである。
まさに「海彦&山彦」の世界だ。

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(産直野菜と天然魚介類が共に充実している)

朝9時前から、多くの買い物客が開店を待っているそうで、
開業初年度から計画を大幅に上回る売り上げを出している。

このように、糸島は、農林水産畜産と非常にバランスの取れた豊かな物産に恵まれ、
また、ユニークでチャレンジ精神に富んだ人材や組織に支えられている地域だ。

これまで、日本産の農産物がすでに輸出されているという情報がなかったため、まだ実績はないが、このような進取の気性に富んだ地域なら
きっと行動を起こしてくれるに違いない。

かつては、稲作の伝播など大陸文化交流の窓口だった土地柄だけに
現代の交流拠点として、ぜひ海外にも雄飛してもらいたいものだ。

商業ベースの中国向けのナシ輸出が遂に実現

先月24日に、福岡県産のナシ2.5トンが
中国上海に向けて出荷された。

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(出荷を待つ上海向けの福岡県産のナシ)
*写真はいずれも福岡県提供

昨年も福岡県は、地元企業の支援でナシを上海に輸出した実績があるが、今回は、産地から農業団体、物流、商社、小売店のすべての関係組織が取り組んだ、初の本格輸出となった。

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(上海の高級デパートで販売される福岡産のナシ)

中国大陸への農産物輸出は、
限定的な輸入制度、未発達の商物流など数多くの難題を抱えていて、
テスト輸出や供与は出来ても、商業ベースの輸出となると難度が極めて高く、早くから輸出事業に取り組んできた福岡県も、中国大陸向けには2年越しの実現となった。

今回、輸出実現の大きな推進力となったのは、
JA筑前あさくらナシ部会とJA全農ふくれんの主体的な取り組みによるところが大きい。

「今年は、ぜひ私たちのナシを海外に輸出したい!」という年初からの産地の熱意は、ただならぬものがあった。

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(自慢の福岡県産の豊水梨)

福岡県の農産物輸出のトータルコーディネートは、
今年発足した福岡県農政部
「福岡の食・輸出促進センター」である。

促進センターでは今年、
輸出に関心を持つ、やる気のある産地を募り、
きめ細かいサポートを展開している。

海外の販路開拓も、輸入商社、および上海の高級デパートである久光百貨さんの協力を仰ぎ、商流を築いた。

産地側もJA組織が積極的に動き、品質チェックや梱包等にもに気を遣った。

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(輸出のために、産地が品質チェックに万全を期した)

また、今回特筆すべきは、海外輸送に航空機ではなく「上海スーパーエキスプレス」が使われたことである。博多-上海間を27時間で結ぶ高速貨物船で、RORO船と呼ばれるトレーラーごと積み込むことが出来る、いわば海上国際シャトル便である。鮮度とコストの両立が求められる青果物の海外物流において、日本で唯一、上海港との間で高速定期航路を持つ博多港のポテンシャルは非常に高いのである。

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(上海スーパーエキスプレスに船積みされる貨物)

つい数ヶ月前までは、あまりに立ちはだかる困難が多く、あきらめかけていた中国向けのナシの輸出が実現したことは、実に大きな前進である。

特に、生産者、農業組織、商社、物流、小売店、そして行政が有機的に連携したことの意義はとても大きい

関係者の努力に心から敬意を表したい。

今後、この輸出が継続できるのか、福岡ブランドが認知されるか、ナシ以外にチャンスはあるのか、など難題が山積している。

13億人のマーケットの入り口にようやくたどり着いたばかりだ。

秋のバレンタイン商戦?

香港に出張した。

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(ネイザンロードの夜景)

相変わらず最高気温32℃の蒸し暑い香港の街だったが、
外出も億劫になるような一時の暑さのピークに比べると
少しは凌(しの)げそうな気もするが、
体にこたえることは間違いない。

それでも暦の上では、9月18日(旧暦8月15日)に、はや中秋を迎える。

ということは…。

やはり思ったとおり、
大型の百貨店の地下食品売り場は、
ほとんど月餅コーナーに占拠されていた。

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イメージとしては、日本の1月末ごろから
バレンタイン商戦向けのチョコレート売り場が
食品売り場を占拠しているのと、まったく同じ。

バレンタインに全く縁のない僕がひと月間
閉口してしまうあの感じだ。

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香港や台湾、中国などでは、中秋節に月餅を贈る習慣があり
親しい友人や取引先などにプレゼントするのである。
会社がまとめて購入することもあるそうで
メーカーにとっては、一年の売り上げをここで稼ぐ大事な時期なのである。

ここ香港でも最近は、有名ブランドの缶入り定番ギフト以外にも
デザインが工夫されたり、洋風のケーキのようなもの、
アイスクリームでできたアイス月餅、
冷やして食べる「氷皮月餅」などというユニークなものまである。

まもなく開園を控えたディズニーのイラストの付いた缶に入った月餅も売れており、トピックを感じさせる。

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(台北の百貨店地下売場でも)

月餅の上に金箔がのっている程度は許されるが、
昨年、バブルの様相の中国で、
月餅の中に金貨や旅行券を入れたり、
住宅つきなど豪華景品をつけた「バブル月餅」が登場し、
景品目当てに月餅を食べないのは浪費であるとして、
中国政府は、7月に華美を規制する通知を出したという。

贈賄汚職につながったり、華美な包装材が大量のゴミを発生させたりするためだと言われている。

この時期、月餅以外にも
乾し椎茸や貝柱、ふかひれなどの高級乾貨物のギフトセット
コーナーで販売されていた。

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(椎茸や貝柱等の高級食材ギフトも良く売れる)

また、満月にちなんで、この頃出荷されるナシ
売れるようになった。
鳥取県の20世紀ナシをはじめ、
昨年からは、日本の複数の県の豊水などの赤ナシ
売られるようになり、
旧正月(春節)に次ぐ有望なギフト商戦と位置づけられている。

台風の恐ろしさを体験

香港・台湾に出張した。

おりしも、ちょうど台風13号(漢字名:泰利)の来襲に遭い
ひさしぶりに出張先で台風を経験をした。

31日午後、台風襲来を承知で、
香港から台湾へ強硬移動。
空港に着くや、激しい風雨に見舞われた。

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(台湾・中正空港で)

上陸は翌朝ということで、
夕刻数時間ですべての用件を済ませ、
ホテルへの帰路、
車から降りたその瞬間、
足元から信じられないような強い風が吹きあがり、
一瞬、視界が無くなり、息が出来なくなってしまった

吹き飛ばされそうな体を支えるのに精一杯で
道路に立ち尽くしてしまった。

もちろん、全身ずぶ濡れになったが、
何度も日本で台風は体験しているが、
一瞬とはいえ、路上で動けず、
体が飛ばされそうになった恐怖体験は
初めての事
だった。

きっとこれが風速4~50メートルという状況なのだと思う。

31日夜のニュースで、
南部では、夜にもかかわらず、
36℃の強い熱風が吹き荒れたのだそうだ。

亜熱帯の台風の凄さを身をもって体験した。

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翌早朝、上陸後の台風の目に入っている間、
静まり返った街中を散策してみた。

街路樹が根こそぎ倒れていたり、
看板が外れたりしており、
時折吹き付ける強風に、思わず緊張してしまう。

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午前9時になっても、台北の大通りは、
人も車も往来していない状態で
こんな光景は異様だった。

学校も会社も臨時休校や全面休業だからである。

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(普段ならバイクと車で渋滞の朝の通勤時の目抜き通り)

テレビニュースでも、中南部の農村部の惨状を伝えるものが多く、
土砂崩れや決壊、浸水などの報道とともに、
産業別では、やはり農業、
特に果実の被害が甚大になるとの予測である。

台北市の青果の卸売価格も平均10~15%上昇しており、
一部ブロッコリーが20%、レタスが132%アップという報道もあった。

実際に早朝の台北最大の濱江青果卸売市場に足を運んだが、
人影はまばらで、テレビの取材クルーの姿が目立つくらいだった。

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(閑散とする卸売市場)

農業はどうしても自然災害に左右される。

先の台風5号が台湾を襲い、50年ぶりの被害をもたらしたと言われているが、ある台湾の輸入商社一社だけで、
このひと月間に日本で暴落した群馬県産キャベツを
19コンテナ(40フィート)も緊急に買い付けたという。

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そう言えば、台北のある高級スーパーでは、
地元台湾産のしおれたキャベツより、
立派な日本産キャベツの方が3割ほど安くてビックリした。

物流や商流が構築されると、台風などをきっかけに
思いがけない事態が起きるということだ。

危険と隣りあわせだったが、いい経験をさせてもらった。

画期的な鶏糞発電システム

宮崎空港から北へ車で約一時間、
川南町に今年5月に運転を開始した
鶏糞焼却による発電システムを視察させていただいた。

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              (川南町ホームページより)

事業主体は、みやざきバイオマスリサイクル株式会社で、
地元生産者、ブロイラー会社、そして九電グループの
西日本環境エネルギー株式会社(本社:福岡市)の出資による。

畜産大国である宮崎県は、養鶏業も鹿児島県に次ぎ
全国第2位の生産量を誇り、年間約1億羽に及ぶという。

そこから発生する鶏糞の量も半端でなく、
これまでは地中埋設による処理で、
周辺環境や河川汚濁の原因のひとつとなっていたそうだ。

それを西日本環境エネルギーの技術により、
これをそのまま燃やし、その蒸気でタービンを回して、
出力約1万キロワット・住宅3千数百件分の電力を生み出すという画期的なシステムだ。

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(プラント全景)

このシステムの素晴らしさは、
それまで環境に悪影響を及ぼしていた鶏糞を処理し灰にして
化成肥料の原料として再利用するのである。

集められた鶏糞を処理する委託費用、売電費用、灰の販売費用の三方面からの徴収から成り立つ仕組みで、とても注目に値する。長年の懸案であった鶏糞処理を一日400トンも処理し、電気エネルギーに転換し、そして残渣であるはずの焼却灰を、リンを豊富に含む肥料として、再度農業に再利用とする、まさにリサイクルシステムだ。

プラントも、核になるボイラーはイギリスの技術だそうだが、随所に西日本環境エネルギー社の応用技術が盛り込まれ、本家を凌ぐ実用的なシステムに出来上がっている。

さらに特筆すべきは、地元地権者、生産者、ブロイラー会社、県などの行政からも理解と大きな支援を受け、地域社会に大きな貢献をもたらすモデルプラントと認識されている事である。

単なるバイオマス発電プラントの建設に終わることなく、事業関係者が皆、その地の農林畜産業の促進など地域振興にもとても熱心なのである。宮崎県で発生する鶏糞の過半を処理しつつ、地元ブランドの農産物を国内外に販売することも視野に入れている社長のビジョンに私は心から敬服している。

地域のために何が出来るか、生産者のために何をすべきか一歩踏み込んで考え、行動すること。

日本の、地方の進路がここにある、と私は考えている。

守りだけで解決できるのか

「噂には聞いていたが、まさかこんなに早く動き出すとは…」

19日付の朝日新聞記事を目にして驚きを隠せなかった。

[農産物も“韓流” 九州向け輸出強化]

福岡市内に物流拠点開設

 韓国の農産地が九州のスーパーなど小売店との直接取引に乗り出す。来年早々にも拠点となる物流センターを福岡市内に開設。商社経由の販売方法を見直し、直接販売で物流費を抑え、価格競争力を高める

 慶尚南道などの自治体や第三セクターが具体的な販売ルートの開拓を検討中だ。パプリカやマツタケといった農産物を共同で借りるセンターにいったん保管して、小売店に配送する。福岡を拠点にした一般向けの通信販売も検討する。

 日本側で受け皿となる韓国貿易センターは「韓国産の場合、日本に届いてからの流通コストは小売価格の4分の1を占めるだけに、価格の引き下げは十分可能」とみている。

 食品の安全・安心をアピールするため、残留農薬検査なども徹底。生産農家をさかのぼって検証できるシステムを導入する案もある。

 04年に韓国から日本に輸出された食料品は1555億円に上り、うち九州は4割を占める。ただ、99年と比べると、対日、対九州とも約3割減っている。

 中国産品の輸出増や、種苗を日本から持ち出して栽培して、日本に逆輸入する「海賊版」への取り締まりが強化された影響という。

まだ、正式には具体的な事業は明らかにされていないが、
何らかの行動計画が練られているはずだ。

日本産農産物の海外輸出については、
やっとスタートラインにたったばかりだが、
いつも意思決定と行動が早い韓国の攻勢に対して
日本の関係者はどう対応するつもりだろうか。

福岡市に物流拠点を設けるというが、
これは福岡近郊の生産者だけでなく、
日本第4位の商業圏と呼ばれる福岡市場圏に出荷する
他県の生産者にも何らかの影響が考えられる。

また、今年からは、台湾からマンゴーなどの熱帯果実、
さらにFTAを締結した東南アジアなどの国々から、
検疫を通った様々な農産物が
今後、次々と日本市場に向けて輸出されてくるのである。

守りの姿勢、国内既存販路の強化さえ十分であればそれで良いという考えが、どこまで現実的であろうか。

地産地消を本来目的ではなく、
単なる排他的キャンペーンの道具として使うのであれば
需要家や広範な消費者からはいずれ支持されなくなるだろう。

韓国も、聞くところによれば、
中国産など諸外国からの安価な農産物の流入により
国内農業が打撃を受けており、
廃業・離農する生産者が増えていると聞く。

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(韓国のスーパーで)

また、日本などから無許可で導入した新品種などのコピー産品に対しても、国際的な枠組みに加盟したため、韓国当局が取り締まらねばならない事態も始まり、
窮余の策として、今から、海外へ向けての輸出の取り組みを模索しているのかも知れない。

中国などで開催される国際食品展での
大規模なプロモーション活動など
韓国の官民を挙げた積極的な活動は、
ここ数年、本当によく目に付くようになった。

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(2003年9月、中国上海で開催された国際食品展での韓国の巨大ブース。このとき、SARSが発生したとして、日本からの出展者、参観者はほとんどいなかった…)

このことは、
中国をはじめ、農林水産業を主たる産業とする国々でも
それぞれ内情は違っていても
海外輸出を強化する方向性には変わらないはずだ

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韓国とは、サッカー同様、日本農業にとっても
切磋琢磨しあうライバル(良く言えば!?)だ。

すでに私たちは、香港市場、台湾市場において、
安価で、しかも非常に近似した韓国産農産物と
厳しい「国際試合」を展開しているから、
およそ彼らの方法論、商品・サービスレベルは
すでに大方把握している。

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以前から、左写真のように
このような安価な韓国産甘柿と
“国際試合”をすでにおこなっているのである。

ほかにも、ミカン、イチゴ、ブドウ、梨、海苔、菓子など数え上げたらきりが無い・・・

サッカー同様、相手の戦術さえ知っていれば恐れるものなし。
むしろ堂々と戦うチームの方が強くなるのである

それにしても、日本産農産物の組織流通は、
もっと柔軟かつスピーディーな行動をしなければ
「大切なチャンス」を失うことになる。