香港に出張した。
(ネイザンロードの夜景)
相変わらず最高気温32℃の蒸し暑い香港の街だったが、
外出も億劫になるような一時の暑さのピークに比べると
少しは凌(しの)げそうな気もするが、
体にこたえることは間違いない。
それでも暦の上では、9月18日(旧暦8月15日)に、はや中秋を迎える。
ということは…。
やはり思ったとおり、
大型の百貨店の地下食品売り場は、
ほとんど月餅コーナーに占拠されていた。
イメージとしては、日本の1月末ごろから
バレンタイン商戦向けのチョコレート売り場が
食品売り場を占拠しているのと、まったく同じ。
バレンタインに全く縁のない僕がひと月間
閉口してしまうあの感じだ。
香港や台湾、中国などでは、中秋節に月餅を贈る習慣があり
親しい友人や取引先などにプレゼントするのである。
会社がまとめて購入することもあるそうで
メーカーにとっては、一年の売り上げをここで稼ぐ大事な時期なのである。
ここ香港でも最近は、有名ブランドの缶入り定番ギフト以外にも
デザインが工夫されたり、洋風のケーキのようなもの、
アイスクリームでできたアイス月餅、
冷やして食べる「氷皮月餅」などというユニークなものまである。
まもなく開園を控えたディズニーのイラストの付いた缶に入った月餅も売れており、トピックを感じさせる。
(台北の百貨店地下売場でも)
月餅の上に金箔がのっている程度は許されるが、
昨年、バブルの様相の中国で、
月餅の中に金貨や旅行券を入れたり、
住宅つきなど豪華景品をつけた「バブル月餅」が登場し、
景品目当てに月餅を食べないのは浪費であるとして、
中国政府は、7月に華美を規制する通知を出したという。
贈賄汚職につながったり、華美な包装材が大量のゴミを発生させたりするためだと言われている。
この時期、月餅以外にも
乾し椎茸や貝柱、ふかひれなどの高級乾貨物のギフトセットも
コーナーで販売されていた。
(椎茸や貝柱等の高級食材ギフトも良く売れる)
また、満月にちなんで、この頃出荷されるナシも
売れるようになった。
鳥取県の20世紀ナシをはじめ、
昨年からは、日本の複数の県の豊水などの赤ナシも
売られるようになり、
旧正月(春節)に次ぐ有望なギフト商戦と位置づけられている。
田中 豊
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