港湾全体を視察するのに、ウラジオストク港と金角湾(ザラトイ・ログ)が一望できる展望台に行った。
やはり港町。
天然の良港であると同時に、世界一の国土を持つロシアでも、数少ない太平洋につながる「南」の出口として、重要な拠点となっている。
ソ連邦の成立後も、海軍太平洋艦隊の基地として街全体が長い間「閉鎖都市」となっていたのだ。当時、一般のソ連市民でさえ、許可なくウラジオストクに行くことは出来なかったのである。
連邦解体の過程で、1989年にソ連市民に、1991年に外国人にも開放されるようになった街である。
ちなみに、中・近世には、中国の元朝や清朝の勢力が及んだ時期もあり、中国人は今でもウラジオストクのことを「海参威(ハイサンウェイ)」と呼ぶことがある。(ウラジオトク総領事館のHPから)
海参とは中国語でナマコの意味で、ナマコが多く生息する断崖を指している。
博物館に所蔵されている昔の看板。「海参威」の文字が見える
停泊する軍艦を目の当たりにすると、かつて冷戦時代の東側の巨頭である軍事大国の片鱗に触れるようで、少し緊張もするが、若い兵士たちの屈託の無い表情を見ると、
「同じ人間なんだなあ」と少しホッとする。
そのうち、コーディネーターの方が、
「週末にもう一度ここに来ましょう。面白いものが沢山観れますよ。」と言う。
帰国前日の金曜の午後に行ってみたら、
いるいる!! ウエディングドレスに身を包んだ新郎新婦が何組も写真を撮っているではないか。
この街では、結婚式を終えると港をバックに記念写真を撮るのがお約束のようで、いかにもウラジオストクらしい。
親族や友人が集まってワイワイやっているグループもいるし、司祭のような人がいて儀式のようなことをしているところもある。
とにかく幸せそうで、あちこちでキスをしたりダンスに興じたり、ととても開放的だ。
きっと昔と様変わりして、個人の幸福を公の場で披露することが自由になったのだろう。
こちらは、ずっとアテられっ放しだったが、幸せのお裾分けを頂いてパッピーな気分に浸った。
心はひとつ・・・
どのカップルも新婦の純白のウエディングドレスがまばゆいばかりに美しかったが、ロシアでは美しさや清潔・清浄の色といえば、赤なんだそうである。
モスクワに赤の広場という名所があるが、これは社会主義だからではなく、ロシア人が伝統的に好む象徴的な色なのだそうだ。
だから、民族衣装も、インテリア用品も赤を貴重としたものが多い。
ロシアの民族衣装
なんだか中国と似ている。
またひとつ勉強になった。
田中 豊
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ロシアそのものが遠くて恐い国という固定観念があって、そこに生活する人たちまでも遠ざけてしまうのが当たり前になっていました。市民は同じという単純な事実が写真から伝わってきてとても爽やかな気分になりました。いつの時代もそれぞれの地域に暮らす市民は平穏な生活だけが望みなのに、野心や金や権力の亡者が市民の生活をぐちゃぐちゃにしていく。そんなことを思いました。
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あの車って、「結婚の車」ですか?確かに、中国とちょっとにてますね(^^)