大分県別府市に入るとすぐに目に付くのが、街のあちこちから吹き上げる白い湯気。
街を一望する
「ああ、また湯の里にやって来た!」
と心から実感する瞬間だ。
日本一の源泉湧出量を誇る別府八湯のひとつ「鉄輪(かんなわ)温泉」は、特に泉源が集中する、文字通りホットポイントだ。
街のあちこちに泉源があり、シューッという音と共に、真っ白な蒸気が勢い良く噴出している。
昼間でも浴衣がけで外を出歩く人の姿が似合う街で、
細い坂道、石垣、屋根瓦が古くからの賑わいの風情を醸し出している。
あちこちの路地の下からも蒸気が噴出している
子供の頃からの憧れの観光地でもあった「地獄めぐり」もこの一帯に展開している。
それでも一時、海外旅行やトレンディー温泉に客足を奪われ寂しい時期が続いたが、最近は地元の人たちの努力が実を結び、賑やかさが戻ってきている。
浴衣がけの若い女性だって街を闊歩する
特に、韓国人を中心とする外国人も急増し、案内してくださった方の話では、今年すでに21万人を突破したと言うことだ。
今日もヤッパリ韓国人団体観光客に出くわした
外国人観光ガイドも常駐しているそうで、温泉地も外人にとっては「COOL」なのだろう。
いるいる・・・
とにかく路地を歩くとすぐに泉源にぶつかる。
この鉄輪温泉のもうひとつの顔は、
湯治場としても有名で、何軒もの専門旅館が軒を並べている。
ちょうど出会ったこのお年寄りは、なんと富山県からの湯治客で、もう10日間も滞在しているのだと言う。
とにかくこんな素晴らしい体験はない、と手放しの喜びようで、心の底からリラックスしている様子が伝わってくる。
この辺の路上には、あちこちにかまどが設置されており、蒸気が噴出している。
これはいったい何だろう?と、不思議に思っていたら、
その答えは、とても美味しい宝物に変身して僕の目の前に現れたのだった。
(次回に続く)
田中 豊
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温泉地に行くと「ああ、日本人でよかった」と思うものが何かありますよね。鉄輪温泉、僕も一度行ってみたいです。
ラツさん 僕も同感! 本当に日本人で良かった、と思います。でも、外国人もこの素晴らしさを知って、別府に惚れこんでいる人が大勢いるそうです。時代はまさにグローカル(グローバル+ローカル)!