農林水産物食品オリエンテーションの会(東北ブロック)が仙台市で開催された。
岡山で催された中国四国ブロックに続くもので、
私にとっても楽しみにしていた地域のひとつである。
この日の事業の冒頭で、東北農政局早川部長より挨拶があり、
「東北地区は農産物輸出ではトップランナー。さらに一層の飛躍を」と熱烈なエールが送られた。
午前に開催されたパネルディスカッションは
「中国市場に向けた輸出戦略」と題し、北京・上海そして香港から招かれたパネラーが辛口の意見も加えて、真剣な議論が繰り広げられた。
コーディネーターを務めた私も、何度かタジタジとなる始末。
海外の厳しい現場を知り抜いているパネリストだけに・・・
会場の参加者も極めて熱心にメモを取りながら、集中して有益なコメントを収集している様子が壇上からもはっきりと伺えた。
全体レベルが高い証拠である。
午後の商談・相談会でも、すぐに実務交渉に入っている企業や団体がいくつもあった。
青森県から福島県にいたるまで、自治体や支援団体、企業の多くの皆さんと交流したが、情報の質が高く、極めて実践的なのに驚いた。
単発のビジネスマッチングを訴求するのではなく、とにかくシステマチックに考えていることがわかる。
地域に輸出を展開する仕組みづくりをする思考法が貫徹しているかのようだ。
商談会の後は商品発掘のためのプレゼンの場も
また、単独一社、地域で展開できることと出来ない事を早くから認識しており、地域連携や業域連携にも柔軟な思考をしているのが驚きでもあった。
特に、難易度の高い中国大陸、ロシア向けの輸出を本格的に挑戦するにあたり、国内や東南アジアで築いてきた経験やノウハウを生かして様々な可能性を模索しているようだ。
東北在住外国人による味覚調査も行われた
支援者、事業者の多くが「なぜ輸出に挑戦するのか?」について、それぞれ明確な認識をすでに持ち合わせており、入り口論、そもそも論の重たい雰囲気が少ないのが他の地域との違いではないだろうか。
こんなに素晴らしい醤油があるのか、と驚いた
香港向け輸出に長年の実績のある豚肉 とにかく見事!
終日にわたり、文字通りのトップランナーたちの交流を通じて、刺激を受け、大いに勉強になったあっと言う間の一日だった。
今や日本の農産物輸出のシンボルとなったリンゴ
厳しい経営環境を乗り越えた経験が強みに転化したと言える
もちろんトップランナーはトップとしての新たな壁にぶつかっており、「次の一手」にさらなる知恵を絞っている事はいうまでもない。
調味料にも食べ方をきちっと提案
今、中国で大人気のサーモンだが、この商品には全く別の工夫が・・・
イメージに反して(失礼!)非常にオープンマインドな東北地区の皆さんだからこそ、これまでの厳しい社会環境、経営環境を生き抜いてきた人たちばかりだろうし、また、今後の困難にも果敢に乗り越えていってくれそうな予感がする。
これからの時代、本当に開放的発信的で、連携志向の方が強い競争力を持つ、と実感した。
トップランナーの皆さんから、様々なことを学ばせていただいた。
明治の福の神と呼ばれた仙台四郎もサンタの装いに
今回、仙台まで来て牛タンを食べる機会はなかったが、
とにかく復活できて良かったヨカッタ・・・

田中 豊

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