ベトナムスピード(その3)

                
(先回から続く)
いくらベトナムの経済成長が進み始めたとはいえ、それでは内陸部に行けばまだノンビリしているかというと、とんでもない光景に出っくわした。

    

ここは、ホーチミンから車で4時間以上も離れた高原地帯。

      
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バオロックというベトナムでも有数のお茶とコーヒーの主産地である。

      

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ベトナム茶もそれなりに有名で、
バオロック産と言えば日本でもブランド茶としてネット販売などされている。

     
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ベトナム茶の販売コーナー(バオロックにて)

      

一面に広がる茶園。 とにかく雄大だ。

   
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そしてコーヒー

     

この国が世界第2位のコーヒー生産国であることをあなたは知っているだろうか?

      
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本場で飲むベトナムコーヒーは格別!!  
    
     

つい先週のニュースだが、
誰もが知っている日本最大のインスタントコーヒーの販売会社N社が、来年1月からインスタントコーヒーの価格を11%値上げすると発表した。

      

その理由として、
最大の産地ブラジル等でバイオマス燃料向けにトウモロコシ生産にシフトしたこと、そして中国・ロシアのコーヒー需要が急増したため世界的に相場が値上がりしているのだという。

    
      
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フランス統治時代に培われたベトナムコーヒーはロブスタ種で
深みのあるフレンチローストが似合う

      

ネットニュースによると、
ベトナムコーヒーの輸出価格がこの9年間で最高値を更新したという。

         

現在の輸出価格は1トン当たり1800ドルで、
前年同期比で80~100ドルも上昇しているそうだ。

    
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バオロックのコーヒー専売店で

    

また、輸出価格の上昇に加え、輸出量も増加しているという。

      

また、今年初めてコーヒーの輸出額がコメを抜いて、ベトナム農産物輸出品目の第一位に躍り出たということだ。

     
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360度見回しても、どの山腹もコーヒー園で埋め尽くされている!!

   
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コーヒー豆

      

沿道沿いには、収穫されたコーヒーが庭先に広げられ、どこを見ても天日干しの光景が。

    
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また、とにかくこんな奥地に、と似つかない土地に、ズラリと「コーヒー御殿」が建築中だ。

    
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のどかな高原の街が一変している

        

世界相場の影響が、こんなところにまで及んでいるとはッ!!!

    
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おそらくここでも
他の農産物からコーヒーにどんどん転作しているに違いない。

      
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出会ったバオロックのコーヒー生産者にもゆとりが感じられる

       
         

同時に、相場変化や工業化で途上国の農業体系も変わっていく。

                     
いつまでも日本への供給地とは限らないのだ。

     
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手前も奥も、み~んなコーヒー園

    

日本の食糧や農業は、真剣にこの事態に向き合っていかなければならない。
    

大きなチャンスでもある。

    
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狭義の守りの姿勢、内外変化への無関心、偏った報道や思考法で内向きな議論ばかりしている場合ではない。

        

     

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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。