東北地方の経済団体、シンクタンクの代表が福岡を訪れ、
農産物をはじめとする地場産品の海外輸出についての
情報交換や意見交換をする勉強会で
九州地方の実情について報告させていただいた。
アジアに近いという理由で、九州は地場産品のアジア市場への輸出において先進地であるという、東北の関係者の認識であったが、実情は必ずしもそうではない、むしろリンゴ100年の輸出の歴史を誇る実績や、フカひれ、ホタテなどの高級水産物の対アジア向け輸出の成功事例等を考えると、むしろ東北地方こそ先進地であると言えると率直に報告した。
いずれにしても、どちらが先進地かどうかという問題ではなく、
今後の国際化戦略の本格的な展開のために、
如何に地域連携を図るかということに、全員の関心が集まった。
東北六県が共同で調査や情報収集、事業活動を展開を始めていることに、正直うらやましい感じだ。
九州はまだ各県が単独で事業を展開しており、
しかも両隣を非常に意識しながらの行動に
今後、世界中のサプライヤーが集まるアジアマーケットで
本当に勝負できるのであろうかという不安を感じているのである。
地域連携の実現は、長期的には楽観視しているが、
具体的なシナリオが描けていない状況だ。
東北の域内連携の動向を参考にしていきながら、
九州の連携をどう進めていくか、
また、東北と九州の域間連携も模索していきたい。
とにもかくにも、地方の自立と県境を越えた新たな枠組み構築が
農産物の輸出というテーマをもって図れるとしたら、
こんなに面白いことはない。
実は、この勉強会の機会を設けてくれたのは、
国土交通省である。
とても貴重なきっかけの場であったと
感謝している。
田中 豊
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