水に暮らす(その2)

(前回より続く)

                        
その湖の名は、トンレサップ (tonle sap)。

    

それまではまったく関心も無かったので、予備知識はゼロ。

     

帰国して調べてみて、東南アジア最大の湖ということを後で知って
その大きさにビックリしたのだが、湖畔に着くまでは沿道の風物に
見とれるも、すでに見慣れてきた光景なので特に大きな感慨もなし。

   

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シェムリアップ郊外の沿道風景

 
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湖畔に着くと、土に還らないビニール袋や無造作に捨てられたポリ容器の汚い岸辺をつま先で歩くようにして、10人乗り位の細長いボートに乗り込む。 4人のメンバーで貸切だ。

   

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現代のアジア的風景(?)

    

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期待よりも不安の船出   

   

   
ドドドドドォーっ!!

   

発動機が勢いよく身震いを始め、若い兄弟が舵を執るボート船はゆっくりと岸を離れた。

    

とても浅そうな水深に少々不安なスタート。

 

  
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元々どんよりした空気に加えて
さらに湖面から沸き立つムッとする湿度と特有の臭気が重なって、
いかにもアジア亜熱帯の旅といった雰囲気に包まれた。

     

  

しかし

湖畔沿いに広がる人家を目にして、それまでの気分が一変

     

   

湖の風景とは、

そこに普通に暮らす人々の生活の光景だったのだ。

     

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シャワータイム

  
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お買い物は行くものではなく、やって来るもの??

     
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この家は豪邸ではないだろうか?

      

      

僕の感性のツボにピッタリとハマッてしまったよ。

     

   
   
やってくれたねぇ。  ありがとう Yさん!   

     
      

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この笑顔に出会うためにはるばるやって来たんだ

       

        
アジアを旅して、僕が最も関心を持っているテーマが

市民生活」「庶民生」なのだ。

    

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お父さんが網を打ち、お母さんが集めてくれる

   
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家族で魚のつみれ作りかな?

    

     

何度海外に行っても、その国の人々の生活に触れるシーンなんて普通にありそうで実は滅多に出会うことは無い。

    

     
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いま、眼前に水に暮らす人々の日常生活が広がっている。

    

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湖面に浮かぶ移動式の学校。   テレビで観たことあるぞ
         
    
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ここでの登下校はボートに乗って・・・

      

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こちらも移動式のカトリック教会

         

   
想像以上の長さと規模で、その宅地ならぬ「宅水」が続いていた。

    

    

    

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カンボジアでの漕ぎ手は「前輪駆動」なんだな

  
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ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドオーッ 

  

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僕らを乗せたボートは、船尾の錆色の発動機から大きな音と

細長い煙を吐き出しながら、さらに湖面を滑っていった。
                                (次回に続く)

      

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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。

“水に暮らす(その2)” への2件の返信

  1. なかなかの圧巻ですね~
    もしかしたらこの湖の船を使った生活が、このあとずっと先の世界中の暮らしになるのでは?映画「ウォーターワールド」のように・・・と想像してしまいました。
    旦那とも最近は、家も家具ももたず老後はキャンピングカー一台で日本中を旅して回るのもいいかもね~なんて話をしていたのとちょっとリンクして、おもしろかったです。
    ありがとうございます!

  2. いのさん コメントありがとうございます。実は僕もおんなじことを考えていたんです。これまで僕ら近代人は、こんな光景を見て、彼らは早く豊かになって陸上の生活に憧れて、テレビ、車、パソコン、コンビニなんて知ったらもうすごいだろうななどと勝手に思っていたはずですが、成熟日本こそ今や田舎暮らし、自然回帰、農業再発見などが始まって、一体どちらが「暮らし」と呼べるものなのだろうかとさ迷い始めましたね。オレゴンもシェムリアップも本当の豊かさについて問いかけてくれますよね。

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