今日6月16日は、旧暦の5月5日で
中華圏では端午の節句を祝う日だ。
日本の端午の節句なら、鯉のぼり、五月人形、柏餅、菖蒲湯なんかを思い浮かべるが、中国の端午節と言うと、粽(チマキ)しか思い浮かばないのは認識不足なんだろうなあ。
ほかに、もともと端午節の起源となった楚の時代の詩人「屈原」と
「ドラゴンボート(竜船)レース」なんかもあったっけ・・・。
ちょうど昨年の端午節のギフトシーズンに合わせて、
東国原宮崎県知事が台湾を訪問されたのだった。
台湾の人に差し出されたチマキを頬張る東国原知事 09年6月
同行した時のブログに、街角で粽子(ちまき)を作っていたお母さんとのやりとりをアップしたことを思い出したぞ。
http://asianet.cocolog-nifty.com/nippon/2009/06/post-4f9f.html
今年も偶然、端午節の直前にタイペイにいた。
いつもリサーチする乾物市場でも、売ってる売ってる。
チマキ作りセットが。
竹の皮、タコ紐、もち米、乾し椎茸、干しナツメ、蓮の実などを売っているぞ。
日本の食品メーカーの方を案内して
やって来たのは「南門市場」。
観光地としても有名な市場だ。
この一角には惣菜コーナーが充実していて、様々な専門店が軒を連ねている。
この季節は、どの店も地方色豊かな色んなチマキを競っている。
一体何種類あるんだろう?
土地の風習にならう品物は、繁華街ではあまり見られないから
特に、このような場所に足を踏み入らなければお目にかかれない。
案内した日本の方が、このような庶民風俗が気に入ったらしく、
大いに喜んでいただいた。
この市場の中でも有名な「億長御坊」という店には、
買い物客が殺到している。
トンポーローのような上海風の惣菜で名を馳せた店だそうで、日頃は、仕事帰りの主婦などが買い物をする名店だが、この時期は、何人ものオバサンたちが、一生懸命わき目も振らずにせっせとチマキを作っている。
その早いこと、正確なこと。
どこにもいるねえ、職人芸が。
「うちの店のはおいしいんだから、ぜひ買っていきなよッ。」
オバサンたちが気さくに声をかけてくれる。
「なんてったって、天下一品なんだョ!」
人気投票ランキングで2年連続、惣菜部門で首位だったんだそうな。
「天下第一攤」(ナンバーワン店舗)の称号が彼らの誇り
物を売るのには、このくらい自信を持って売らなきゃ、
台湾では通用しないんだ。
ふと、そう思った。
2年続けてのチマキ作りライブを堪能したことになる。
田中 豊
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日本でお目にかかるチマキは2~3種類ですが、本場中国では、たくさんの種類があるのですね。食いしん坊の私は、全部食べてくなってしまうようなショットの数々。味の気になるところです・・・。
チマキの味や具材の違いは、地方の違いにも関係がありそうです。日本のお雑煮のように。確かに、もち米で作られていますから、ちょっと気軽にすべての種類を買って食べてみようとはなかなか思えません。でもひとつは食べてみることで、何か、魔除けや厄除け、健康調整に役に立ちそうなので、去年に続き、トライはしてみましたよ。美味しかったです。