国難といえる歴史的大震災に見舞われ、
目を覆うような光景が広がる中、
現地でたくましく勇敢に、救援と復興に向けて立ち向かう被災者の皆さんとそれを応援する全国の日本国民がひとつになって
ニッポン頑張れ、日本人の心ははひとつ
と団結を誓い合う、あふれるほどのメッセージや活動を目にするにつけ、未曾有の不幸の中にも、とても頼もしく、誇らしい思いがするのは、ひとり僕だけではないだろう。
同時に、ここであえて強調したいのは
この震災を通じて、日本と世界各国がより緊密に、より近くなった、ということである。
世界の数多くの国々から
被災者の皆さんへ哀悼とお見舞いのメッセージが送られ、
想像をはるかに超えるスピードと規模の義捐金や支援の手が差し伸べられている。
また、原子力に関する技術的支援や同盟国からは軍事的救援オペレーション、そして今現在も食糧や水、様々な物資が各国から寄せられている。
さらに、メーカーや流通業をはじめ様々な関係者が需給動向を見ながら、海外で農水産物も含め食品や各種エネルギー、生活物資などを機敏に調達しているし、支援の意味も込めて中国や東南アジアのメーカー側も最優先で協力してくれているケースも知っている。
僕自身、震災後5ヶ国を廻って、どこを訪ねても
見舞いと慰労のメッセージから始まり、
秩序と互助精神にあふれる日本人への賞賛、
そして思いもよらない具体的な支援のアイデアや行動が披露された。
これには、僕も驚いた。
街を歩いていても、アジアでは僕が日本人だとわかると
優しい声をかけてくれることもあり、こんな体験は初めてである。
世界は、僕らが考えている以上につながっている。
海外からの支援無くては、復興も成り立たない。
これも、これまで日本が戦後、事あるごとに、
世界中に広く支援をしてきた結果でもある。
これまで幾度か日本外交の批判を聞いたことがあるが、
僕は、イデオロギーや体制を可能な限り乗り超えて、
世界で最も隔たり無く、平和的なポジションに対して、
戦後広く支援をしてきた、この原則と実績については、
国民として誇りに思い、評価したい。
日本人の団結はもちろん最も尊いが、
地球環境や自然の猛威を前にして、
国境を越え、地球人全体の共通の問題として捉えている中で
これからの長い復興の道のりを歩んでいくことも再認識しておきたい。
(次回に続く)
田中 豊
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