名産地で浴びるほどマンゴーを頬張った日(その1)

       
6月下旬から7月にかけて、
台湾ではマンゴーの本格的なシーズンに入る。    

    
今年は冬の寒さが長引いた分だけ、出荷が例年より遅れたそうである。

     
     
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台北の有名なマンゴースイーツ店の看板メニュー  マンゴーかき氷

     
         
     
この時期は若い娘たちだけでなく、
老若男女みんな手ごろになったマンゴーを楽しんでいる。

      

     
      
今月初め、あるプロジェクト推進のために台南に行ったのだが、
台湾でもトップクラスのマンゴー輸出に携わる地元貿易商社の社長さんと旧知の仲で、突然連絡したら、案内するからぜひいらっしゃいと誘われ、出荷の繁忙期と知りつつ、ホイホイと現地を視察に行くことにした。
      

      

台南の中心街から車で約1時間半強の道のり。

     

途中、烏山頭ダムを横目に進む。

     
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ここは、1930年に完成した農業灌漑を主目的としたダムで、日本人・八田與一技師により建造されたものである。

      
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後方に見える長い堤防のような土手に烏山頭ダムがある

           

それまで、常に干ばつの危険にさらされていた嘉南平野が、このダムのおかげで台湾を代表する穀倉地帯として蘇ったのである。

    

八田技師は、その死後70年近く経た今でも
多くの台湾民衆から敬愛されており、
日台交流の模範として僕の心の中にも特別な存在である。

   

当時の日本人は、物資調達だけでなく
土木やインフラ、衛生など技術やノウハウ、社会資本整備までも
台湾やブラジルなど世界各国で広めていった
のである。

  
その上、歴史的な背景があったにせよ、
祖国に帰ることを前提にではなく
腰を落ち着け、根を張る情熱で…。

   

当時の日本人の方が、よほどグローバルな視野を持っていたと思う。
    

しかも、その核心技術が農業栽培や加工、農業土木技術なのだ。

  

本当に頭が下がる思いだ。

    

     

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さて、どれだけ坂道を登ったであろうか、
山間部に開けた大きな町が見えてきた。

    
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だんだん生活の匂いがしてきたぞ

    
     

ここが、台湾マンゴーの名産地 玉井区である。

    
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玉井郷にようこそ、と書かれている

      
     
玉井という地名は、高雄と同様、おそらく日本時代につけられたものだろう。

       

これまでは台南県玉井郷であったが、昨年12月の台南市への編入で
現在は玉井区ということになっている。

    

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左は台南市。右は台南市での玉井区の位置 wikipediaより     
       

        
     
今や台湾でこの玉井は、マンゴーと同義語であるほどの地域ブランドなのである。

 
いずれ日本でも知名度を上げてくるかもしれないので、
読者の皆さんはマークしておいて頂きたい。   

    

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巨大なマンゴーのオブジェが町のシンボルだ

    
     
    
手始めに、まず畑に行きましょうかね。」

     

いよいよ台湾の有名ブランド・玉井マンゴーとのご対面だ。
                               (次回に続く)
           

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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。