北海の四大美人の競艶に胸が押しつぶされた夜(その3)

(前回より続く)

    

僕が楊貴妃に例えた
甲羅のミソの濃い味わいが絶品の毛ガニは、
地元のご自慢のひとつ。

  
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オホーツク海沖産と噴火湾沖(太平洋側)産の二種を比べてみた。

   
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上がオホーツク海沖、下が噴火湾沖の毛ガニの脚。よく観るとなまめかしくさえある

   
      

流氷と共にやってきた海の栄養分をたっぷりと取り込んだオホーツク産の濃厚で深い味わいは、もう僕の筆力では形容できないレベルの逸品である。

  
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滴るカニ味噌。毛ガニの醍醐味だ。舌の上でネットリとまとわりつく。凝縮された旨味成分が攻撃的でさえある
   
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正身も決して大味でない。ミソと供和えで頂くとまた格別。 

       
     
  
タラバガニは、中華圏では帝王蟹と呼び、あっという間に大人気の高級食材に登りつめた。

  
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あの口いっぱいに膨れ上がるボリューム感と独特の甘みが最高の食べ応えを演出する。

        
      

      
他の3種と比較すると、モデルさんのようにスリムな感じのズワイガニ
繊細な肉質と滋味あふれるカニ本来の味が堪能でき、
北海道でもこのカニが好き、という根強いファンが多いらしい。

   
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比べるとどうしてもボリューム感に欠けるが、なかなかもって奥深い滋味にノックアウトを食らった

       
水揚げされる地域によって、
越前ガニや松葉ガニと呼ばれるのもこのカニだ。

             
   
            

茹でると鮮やかな朱赤色に染まり、鎧のようなトゲに覆われる花咲ガニ
花咲と呼ばれる根室港で主に水揚げされることからこの名がついたとも言われる。

  
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一際大きな個体を見せるボリューム感ある肉質と溢れ出るミソは
初めて食体験するものを仰天させるに余りある存在感だ。  
   
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あふれ出る外子と濃厚マッタリの内子が同時に楽しめる。ヘビー級の旨さだ。
ロシア船が運んできたものだそうだ

   

ちなみに、北海道で水揚げされる蟹は、
甲羅の全長が8cm以内の小型とメスのカニは、
必ず海に戻されるのがルールである。資源保護のためだ。
市場に出回っているメスガニはロシアなど外国産ということになる。
   

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花咲ガニの脚。一際大きなトゲが個性的

     

もうひとつちなみに、タラバガニと花咲ガニは、確かに同じく十本脚なのだが、
実際に歩行に使う脚は3対しかなく
ヤドカリの仲間に分類されることはご承知だろうか?

     

         
カニを食べると押し黙るとよく言われるが、
僕も始めはギャーギャー子供のように絶叫し、

そのあとは、
とにかく説明を聞き、頷き、記録し、口に頬張るという繰り返し。

     

      
モグモグ、モゴモゴ、モグモグ、、、
    
   

ゴックン、ゴクン、、、
   
       

キョロキョロ・クラクラ、、、

    
    
     
そのうち、ズッシン、ズシン・・・

    

      
   
溢れんばかりの4種・多産地・多規格のカニ肉が
僕の脳裏と胸中と、そして胃袋の中で急激に膨張してきた。

      
       
お腹いっぱい、胸いっぱいという境地である。

    

神様、今宵だけ中学生時分の食欲をお与えください。

   

この時ほど、自分の胃袋の許容量の小ささに悔やんだことはなかった・・・。

    

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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。