中部ジャワ地方の奥深い味を堪能し、インドネシア料理に対する認識が変わった(最終回)

珍しく長い時間をかけて中部ジャワ料理の数々を楽しみ、
最後は究極のナシゴレンとも出逢い、お腹もいっぱい。

     
「まだまだ時間もあるのでデザートもどうぞ」
と促されるけど、もうギブアップ。
 
ここでも、もう若くないなと実感する…。
 
 
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「それでは目で楽しみますから」、と
コーナーを徘徊することに。
 
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色とりどりの菓子が並ぶ。
 
もち米やココナツを使ったものが多いように見える。  
 
   
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これはクレポンと呼ばれるバリ島の有名なお菓子ではないだろうか。だとしたら緑色した草餅のようなお団子の中には黒蜜みたいなものが入っているはず
 
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見ているだけで楽しい。
 
 
その中で甘い、いい香りを放つ菓子が目についた。
 
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ANGKRINGANと呼ばれるジャワの屋台や露店で
食べられるようなスナックらしい。
 
 
たくさんのデザートを見たら、やはり満腹感が込み上げて
何することなく立ちすくんでいると
ウェイトレスのお姉さんが気を利かせてくれて
  
「お茶でもいかがですか?」
 
 
温かい飲み物が欲しかったので、一杯所望した。
 
 
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コーヒーでなく、紅茶。
 
そう、ジャワティーということになる。
 
 
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丁寧に淹れてくれた熱いジャワティーの薫りを楽しんだ。
 
まだ見たことのないジャワ島山間部の茶畑などをイメージしながら。
 
 
 
と、急に果物が食べたくなった。
 
こうなると何故か腰軽く、果物コーナーへいそいそと。
 
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マンゴー、メロン、パイナップル、バナナ、スイカ、それに、見たこともない珍しい果物たちには一切目もくれず、
僕は始めから心に決めていた「我が恋人」に向けてまっしぐら。
 
 
 
で、その恋人の姿は、こんなもの。
 
ご覧あれ!
 
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見たことありますか?  知ってますか?
 
 
褐色に光る鱗のような外皮が
まるでヘビのようでしょう?
 
別名スネークフルーツとも呼ばれる
僕の恋人、サラック(SALAK)様である。
 
 
インドネシアに来たら必ず食べたい
それほどワクワクするフルーツなんだ。
 
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インドネシアではどこのお店でもよく見かけるポピュラーな果物だ
 
 
ところが、大抵の日本人はこれがあまり美味しくないらしく、
10人中8人くらいは、不味い、わざわざ買って食べるほどない
などと、僕の恋人のことを良く言わないのである。
 
 
まあ、それもいい。
 
奪い合いにならなくて…。 
 
 
外皮は、つまんでめくると比較的簡単に剥ける。
 
中からしっかりとして薄黄色い果肉が現われる。
 
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果肉を口に放り込むと、
ほのかな甘さ、ほのかな酸味、ほのかな渋味の三味が一体となって
乾いた食感になって拡がる。
 
きっと奥ゆかしい恋人なんだ。
 
 
ああ、至福のひと時…。
 
 
水分が少ないので、パリッとした食感がする。
これも賛否が分かれる所以だろう。
 
 
慣れると美味しいのに。
 
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すごく形容しがたい味で、
無理に例えて言うならば、リンゴに近いかな。
 
ほかに、乾ききったマンゴスチンやライチのようだと言ったら
イメージできるだろうか。ちょっと違うか。
 
 
香港でもサラックは見たことが無いので、
あの食いしん坊の中国人でもあまり見向きもしないようである。
 
 
僕が好きなら、それでいいのダ。
 
 
    *           *          *
 
 
とにかく長い長いコースを堪能した。
 
 
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中部ジャワ料理を通じて、今回、
インドネシア料理に対する認識が変わったような気がする。
 
 
異文化を理解するには、時間がかかることも多い。
 
 
 
今回、和食がユネスコの無形遺産登録されることになったそうだが、ニッポンの食文化、食材も世界に受け入れられるようになるには、長い年月と不断の努力が必要になることだろう。
 
 
(シリーズ終わり)
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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。